【車中泊は、脱着式シェルで】軽トラックが、軽キャンピングカーに
軽トラに載せるキャンピングシェルtext&photo:Hidenori Takakuwa(高桑秀典)
クルマ好きなら誰しも、とまでは断言しないが、マニアックな自動車趣味人であれば、一度ぐらいは「軽トラ、欲しいかも……」と思ったことがあるはずだ。
【画像】ハイゼットのキャンパー 3選【エルミタ詳細写真】 全140枚
スズキ・キャリイだったら「KX、もしくはKCエアコン・パワステかな?」とか、ダイハツ・ハイゼットトラックだったら「エクストラSA IIItか、リクライニングシートが便利なジャンボかな?」といったように、アレコレ考えるのではなかろうか。
軽トラに載っているキャンピングシェルが、今回ご紹介する「エルミタ・リミテッド・パッケージ」。軽トラック自体は価格に含まれない。 AUTOCAR JAPAN編集部
ちなみに、筆者はハイゼットトラック・ジャンボがお気に入り。
そういったこともあり、日頃から軽トラックキャンパーのことも気にしていたのだが、先日「ふじのくにキャンピングカー&アウトドアショー2021」にてステキなモデルと出会うことができた。
その名は、京都のマックレーが販売している「エルミタ」という脱着式シェルだ。
シェル販売のみとなるエルミタ自体のサイズは、長さ1925mm×幅1430mm(上部)〜1250mm×高さ1810mmなので、ほとんどの軽トラックに載せることができる。
ハイゼットトラック・ジャンボ積載時の全体としての高さは2450mm(展示車は2470mm)となり、法令2.5m以下なので問題ないし、荷台からのはみ出しも法令の範囲となる軽トラの長さの10%までに抑えた。
脱着方法、サイズ、税金は?
脱着式シェルだから、軽トラックを整備/車検などに出すときには車両から分離することができる。
具体的には、自立用の脚4本を取り付けて、アウトリガー付属のハンドルでジャッキのように浮かせて、クルマを前進させるだけでいい。
キャンプ先などで車中泊する際は、就寝定員4名(バンクベッド延長&ダイネットにベッドを展開)まで対応できる。しかし、トラックに載せた“荷物の扱い”になるので、走行中のシェル内の乗車定員は0名。 AUTOCAR JAPAN編集部
なお、エルミタは軽トラックに載せた“荷物の扱い”となるので、税金面は軽トラのままだ。このため、走行中はシェルのなかに乗員が滞在できない。
明るく開放的なエルミタの室内高は1730mmで、スライド延長式バンクベッド(リミテッド・パッケージに装備)のサイズは2100×1330mm。室内はすべてLEDライトで、バンクベッドには埋込みタイプの丸窓が付いている。
ダイネットを全面ベッド展開にすると、1820×1330mmサイズの就寝スペースが完成。小型シンク(清水5L/排水5L)も装備しており、シート下には収納庫も用意。
また、網戸とシェードが付いているので、車中泊時にプライバシーを容易に確保することができる。
窓はガラスのスライド式なので、走行中も換気のために少し開けておくことが可能だ。
3種類のパッケージ 価格情報
エルミタは3タイプが用意されているが、夏場の車中泊では必需品となるウィンドウエアコンは、リミテッド・パッケージ(写真)に装備される。
基本は外部電源で稼働させるが、オプションの大容量リチウムバッテリー+1500W or 2000Wインバーターにて稼働させることもできる。
撮影した最上位グレード「エルミタ・リミテッド・パッケージ」には、ウィンドウエアコン(冷房専用)が装備される。 AUTOCAR JAPAN編集部
シェルの外装はアルミ複合板で、壁の内部はアルミフレームだ。断熱材は30mm厚を装備。なお、エントランスドアには網戸が付いている。
シェル・パッケージ(108万9000円)
入口ドア、折畳み式ステップ、網戸&シェード付き窓、外部電源入力コネクター、AC100V 2口、リチウムイオンバッテリー40Ah、バッテリー充電器などを装備。
スタンダード・パッケージ(141万9000円)
シェル・パッケージに加えて、家具セット(全面ベッドになる)、ベッドマットセット、換気扇などを装備。
リミテッド・パッケージ(写真:174万9000円、OP含め183万7000円)
スタンダード・パッケージに加えて、ウィンドウエアコン(冷房専用)、スライド延長式バンクベッド、丸型アクリル窓左右、自立脚4本セット(アウトリガー)、TVアンテナ、天井付き収納庫を装備。
全モデルにリチウムイオン・サブバッテリー40Ahを標準装備しており、鉛サブバッテリー100Ahと同等の電力を確保。リチウム用外部充電器も標準装備となる。
なお、重ねての説明になるが、エルミタの価格に軽トラックは含まれない。
農家の休憩部屋、趣味/仕事の拠点に
会場でマックレーのスタッフに伺った話によると、農家の方々が昼間の作業時に休憩部屋として活用するケースが多いという。
購入者の約半数が「そういう需要」とのことだったが、たしかにオプション設定のFFヒーターやポータブルトイレを装備すれば、畑に持って行ける小部屋になるのであった。
スライドガラス式の窓は、下部からシェードを引き出すことができ、上部から網戸を引き下ろすことができる。 AUTOCAR JAPAN編集部
釣り・登山の拠点、災害時の避難先、仕事場、事務室、移動販売車などとして活用してもいいだろう。
昨今の軽トラックは走行性能が高いので、すでに軽トラックを所有しているユーザーは、エルミタを荷台に載せるだけで愛車が快適なキャンピングカーに変身する。
マックレーでは軽トラックの購入支援を展開しており、レカロシートの装着なども提案しているので、いろいろ相談してみてほしい。