by Jorge Quinteros

Appleでエンジニアリングプログラムマネージャーを務めるAshley Gjøvik氏が、性差別や敵対的な職場環境といった社内の問題について声を上げたところ、無期限の休職を求められたと報じられています。Gjøvik氏は数カ月前から自分が経験したさまざまな問題についてAppleに訴えており、調査チームが主張について調べているとのことです。

Apple places female engineering program manager on administrative leave after tweeting about sexism in the office - The Verge

https://www.theverge.com/2021/8/4/22610112/apple-female-engineering-manager-leave-sexism-work-environment

Female Apple employee put on administrative leave following tweets about sexism in the workplace | AppleInsider

https://appleinsider.com/articles/21/08/04/apple-places-female-employee-on-administrative-leave-following-tweets-about-sexism-in-the-workplace

Gjøvik氏は海外メディアのThe Vergeのインタビューに対し、「私は数カ月にわたって、性差別、敵対的な職場環境、セクシャルハラスメント、安全でない労働条件、報復に関する数年の経験について、Appleの人事部に懸念を表明していました」とコメント。Appleが問題について調査している間、敵対的な職場環境を緩和するように求めたそうですが、AppleはGjøvik氏に対して社員支援プログラム(EAP)のセラピーや医療休暇を申し出たとのこと。

これに対してGjøvik氏は、こうした個人のメンタル面でのサポートには意味がないと主張して、なおもAppleに職場環境の改善を求めたそうです。その後、他に選択肢がない場合は有給の休職にすることもできると伝えたところ、Appleは職場環境の改善を行わないまま、Gjøvik氏を無期限で休職させることを決定しました。AppleはGjøvik氏に対し、調査中に他の女性従業員と1対1で話し合うことを控えて欲しいことや、Slackチャンネルへの参加を控えて欲しいことも示唆してきたそうです。



Gjøvik氏は7月下旬から、Twitterでも盛んにAppleの職場文化について批判の声を上げています。7月24日のツイートではAppleが従業員をオフィスに戻そうとする動きについて、「Appleは論理的な説明もなしに私たちの命を危険にさらす」と批判しました。



また、Gjøvik氏が問題だとして報告したものの、Appleが「問題なし」と判断した事例についてもTwitterで紹介しています。たとえば、Gjøvik氏のプレゼンテーションへのフィードバックとして、男性の上司が「語尾で声のトーンを上げるのをやめた方がよい」と指摘したことについて、Gjøvik氏は性差別ではないかと訴えています。



さらに、Appleが性差別に関する1回目の調査を速やかに終えてGjøvik氏を追い払おうとした後、すぐに558個もの新たな証拠を示して調査するように求めたとのことです。



近年は、Appleを含むさまざまな企業が社内からの声に対応し、社内文化の改善に取り組むことを求められています。5月には、Appleが4月に採用した広告チームのAntonio Garcia-Martinez氏が、かつての著書で女性差別的な記述を行っていたことが指摘され、即座に解雇されるといった事例も発生しています。

アップル、採用したばかりの元Facebook製品マネージャーを解雇--女性差別で - CNET Japan

https://japan.cnet.com/article/35170705/