韓国戦の後、怒りが収まらないスペインの選手たち。左端がカマーチョ監督。 (C) Getty Images

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 話題となっているのが、2002年の日韓ワールドカップでスペイン代表を率いたホセ・アントニオ・カマーチョの驚きの発言だ。

 スペインのテレビ番組『Idolos』インタビューで、PK戦の末に敗れたホスト国・韓国との準々決勝を振り返り、「副審が買収されていた」と驚きのコメントしたのだ。『ESPN』のブラジル版などが伝えた。

 たしかに、この試合ではスペインにとって不利な判定が続いた。48分にMFルベン・バラハが決めたゴールが不可解なファウルで取り消されると、延長戦に入った92分にも、フェルナンド・モリエンテスがヘッドでネットを揺らすも、またもノーゴールとなる。

 右サイドからアシストしたホアキン・サンチェスがクロスを上げる前に、ボールがゴールラインを割っていたとの判定だった。だが、VTRを見る限り、ボールは明らかに残っており、結果的にこの“誤審”が明暗を分けた。

 カマーチョは、判定以外にも「延長戦を前に選手に話をしようと思ったらラインズマンに禁止されたが、韓国は(監督である)フース・ヒディンクが選手たちと普通に話していた」「試合前日のトレーニングで長い芝をリクエストしたのに刈られていた」と“ホーム贔屓”に不満爆発。冒頭の驚きの一言に繋がった。

【動画】明らかな誤審? スペインが激怒した韓国戦のゴール取り消しシーン
 これを受けて韓国のサッカーサイト『Interfootball』は、「韓国では歓喜と感動の2002年の思い出も、スペインではまったく違って見えている」と綴り、こう続けている。

「韓国はスペインを相手に猛攻を凌いで、夢の4強入りを果たした。当時、韓国は歓喜に包まれたが、スペインは審判の判定に不満をこぼし、19年が過ぎた今でも、当時のことを『買収事件』と称している」と皮肉まじりに伝えた。ちなみに、“誤審”についてはまったく触れられていなかった。
 
 記事は「韓国サッカーにとっては、歴史上最も重要な成果であり、忘れられない記憶だ。だがスペインではまだ恥辱と不合理の歴史として残っているようだ」と締めくくっている。

 時が流れても、スペインサイドの恨み節が変わることはないのだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部