(株)魚新(TDB企業コード:984175180、東京都港区西麻布1-12-10)は、8月26日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は諏訪圭子弁護士(東京都千代田区神田神保町2-14、中野法律事務所、電話03-3556-7373)。債権届け出期間は9月23日まで。

 当社は、1890年(明治23年)創業、1978年(昭和53年)1月に法人改組。東京赤坂にあった個人商店の鮮魚店を起源とし、赤坂花柳界の料亭への仕出屋を経て、天ぷら・割烹料理店「魚新」の運営を手掛けていた。2002年9月に「魚新 丸ビル店」をオープン、2004年3月には「日本橋 天ぷら魚新」、また2007年10月には「西麻布 天ぷら魚新」を開店し、同年、営業権を取得した「赤坂 とゝや魚新」がミシュランガイドで1つ星を獲得するなど、相応の知名度を有していた。価格帯は各店舗とも概ねランチタイムが1000〜5000円、ディナータイムが7000〜20000円程度となっており、比較的高価格帯の天ぷら・割烹料理店であった。各店舗とも昼はビジネスマン、OL層、夜は法人の接待・宴会需要が主であり、2008年8月期には年売上高約2億8500万円を計上していた。

 しかし、2009年1月に「魚新 丸ビル店」を閉鎖するなど、その後は次第に業容を縮小。2019年4月には「赤坂とゝや魚新」を他社へ譲渡し、2019年8月期の年売上高は約2億2000万円に落ち込んでいた。ここにきて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績の落ち込みが厳しく、事業継続を断念、今回の措置となった。

 負債は現在調査中。

 なお、残りの店舗は今年6月に他社へ引き継がれており、営業を継続している。