かつては九州北部で約40店舗を展開

 筑後商事(株)(TDB企業コード:820181934、旧商号:(株)マミーズ、資本金1億円、福岡県柳川市筑紫町334-16、代表清算人近藤吉宏氏)は、6月22日に福岡地裁柳川支部より特別清算開始命令を受けた。

 申請代理人は綾克己弁護士(東京都千代田区大手町1-8-1、ときわ法律事務所、電話03-3271-5140)ほか2名。

 当社は、2002年12月に民事再生法の適用を申請したオレンジチェーン本部(株)(久留米市)のスーパーストア事業を分割譲渡する形で2003年(平成15年)8月に設立した。食料品主体の「マミーズ」を展開し、2004年から2011年にかけては同業他社の店舗買収や株式取得を繰り返した後、いずれも吸収合併を行っていた。さらにその間、同業他社から一部店舗の営業を譲り受けるなどで、2012年3月期は年売上高約197億2900万円を計上。ピーク時には福岡県南部を中心に九州北部で約39店舗を展開していた。

 しかしその後は、業態の垣根をこえた競争が激化し、不採算店舗の閉鎖を進めたこともあって2018年3月期の年売上高は約135億500万円にまでダウン、営業損益段階からの連続欠損を余儀なくされるなど収益も低調に推移していた。中小企業再生支援協議会の支援を仰いで取引金融機関から金融支援を受けるほか、閉店した店舗不動産の売却などで有利子負債の圧縮を進めていた。そうしたなか、2018年10月に大黒天物産(株)(東証一部、倉敷市)がスポンサーとなることが決まり、同年12月に運営する30店舗のうち22店舗を別途設立されたマミーズ(株)(同住所)へ譲渡するとともに、当社は現商号へ変更。不動産売却を進めながら清算手続きを進め、株主総会の決議により2020年1月31日をもって解散していた。

 負債は約26億円。

 なお、清算したのは旧事業会社であり、「マミーズ」は事業譲渡を受けたマミーズ(株)が現在も営業を続けている。