(株)ほの国百貨店(TDB企業コード:853000855、資本金2000万円、愛知県豊橋市駅前大通2-10、代表清算人林恭吾、従業員4名)は、5月25日に解散を決議した後、6月1日に名古屋地裁豊橋支部へ特別清算を申請した。

 申請代理人は、原直義弁護士(東京都千代田区丸の内3-4-1、山下・渡辺法律事務所、電話03-5208-1026)。

 当社は、1974年(昭和49年)8月に設立された旧:豊橋丸栄が前身であるが、東証一部上場の(株)丸栄(2017年7月上場廃止)の連結対象子会社として、事業を拡大。婦人服・紳士服・子供服・下着類など衣料品を主体に、食料品、化粧品・宝石・貴金属、身の回り品、家庭用品などを販売し、最盛期には約160億円の年売上高を計上していが、その後は景気後退により売上は減少していた。

 愛知県東三河地区では当社の前身である豊橋丸栄とともに、営業を行ってきた豊橋西武百貨店が業績低迷により2003年8月に撤退。豊橋西武百貨店が撤退した後、一時的に増加した売上も徐々に減少傾向を辿り、一旦は投資ファンドの元で再生を図ったものの、2010年には経営陣や従業員により当社を設立してMEBO(経営陣、従業員による事業買収)を行い、店名を「ほの国百貨店」に変更して愛知県東三河地区唯一の百貨店として、事業を継続していた。

 しかし、百貨店事業を取り巻く環境は厳しく、店舗の耐震性といった課題も残り、2019年11月には「ほの国百貨店」の廃業を発表。2020年3月15日を以て営業を停止し、翌月には正社員45名が退職していた。実質的な最終年度の2020年2月期は、閉店セールを行ったことで、約54億7300万円の売上を確保して、それまでの減収傾向に歯止めをかけたものの、損益については4期連続の欠損となっていたところ、今回の措置となった。

 負債は、2020年2月期末時点で約19億3700万円だが、流動的。