テレビ風 アドブレイク を自作する インスタグラマーたち:「エンゲージメントが高くなる場合も」
トレンドは巡る。インスタグラム(Instagram)のインフルエンサーは、テレビのコマーシャルと同様に、スポンサード投稿の前後に独自のプレースホルダーを置きはじめている。
インテリアデザイン関連の有名なインフルエンサー、メディナ・グリッロ氏の場合、スポンサー付きのインスタグラムのストーリーを共有する際にいつも、「アドブレイク」というタイトルのプレースホルダーが動画の再生前に表示される。タイトルの下には、視聴しようとしている、または視聴済みのスポンサー付きストーリーがどういった形で同氏のコンテンツの資金源になっているかを説明するグリッロ氏のメッセージがある。テレビ形式のこうしたアドブレイクは、投稿を雑然とさせる恐れがある数種類のラベルに依存しない利益の上げ方について、フォロワーに対してもっと透明であろうとするグリッロ氏独自の試みだ。

アドブレイクについて説明したグリッロ氏の投稿
欧米の規制当局の動きに対応
こうした動きは、インフルエンサーがマーケティング目的の投稿へ明確にラベル付けしないことが多いという批判を鈍らせる可能性がある。たとえば、英国の広告基準協議会(Advertising Standards Authority:以下、ASA)は昨年、明確な表示がないとして、インフルエンサーのオリビア・バックランド氏が投稿した広告を禁止した。
理屈の上では、インスタグラムのストーリー広告(Story Ads)は、ポップアップが可能なほかの広告よりも自然な感じがするように制作されているが、自身のオーガニックコンテンツの直前や直後、または途中に挿入されているストーリー広告でインフルエンサーが主役を務める時など、度を超す場合もある。
ほかのインフルエンサーが英国でASAから警告を受けるのを目の当たりにしたり、自身が警告を受けたりして、すべてを公開するのに「ことさら慎重になった」インフルエンサーもいる、とインフルエンサーマーケティングプラットフォーム、タガー・メディア(Tagger Media)でビジネス開発および提携担当責任者を務めるアナ・トルスドティール氏は語る。
パートナーシップやインセンティブに基づくレビューであることを開示しない広告主やインフルエンサーを連邦取引委員会(FTC)が取り締まってきた米国でも、事情は同じだ。FTCは2019年10月、スキンケア企業のサンデーライリー(Sunday Riley)が製品に関する偽ったレビューを残すのを禁止した。
オーディエンスの反応は良好
それでも、規制当局によるこうした精査の強化は、衣料品の長いリストや製造元を共有するファッション系インフルエンサーから明らかなように、インフルエンサーが詳細を共有するよう促す可能性があると、トルスドティール氏は指摘する。広告やギフトに関する情報公開は、かつてはすっきりとしていて創造的だった投稿を乱雑にすると、同氏はいう。
「インフルエンサーがいつも投稿しているコンテンツに沿っている限り、オーディエンスは広告をあまり気に掛けないので、こうしたアドブレイクはパフォーマンスやエンゲージメント指標には影響しないだろう」と、トルスドティール氏は語る。
だが、リアルタイムで共有されることが多いインフルエンサーのストーリーに、あらかじめ録画されたストーリーを挿入すると、ファンが、予告なしに過去と現在のあいだをせわしなく行き来する時には奇妙に見えかねないと、エンジン・クリエイティブ(Engine Creative)のインフルエンサーストラテジスト、ジェンマ・グローバー氏は指摘する。
「広告中にエンゲージメントが低下するかどうか、インフルエンサーに尋ねたところ、それどころか、フォロワーのエンゲージメントが高くなる場合もあり、フォロワーはコンテンツに金が支払われていることもわかっている、という答えが返ってきた」と、グローバー氏は語る。
パートナーシップの重要性
従来、広告主はインフルエンサーからできるだけ多くのリーチとエンゲージメントを得たがってきた。情報の明示が多すぎるスポンサード投稿はそうした指標に悪影響を及ぼす恐れがあるとの受け止め方があると話すのは、インフルエンサークリエイティブエージェンシーのザ・プロジェクツ(The Projects)で アカウントディレクターを務めるジェームズ・シルバーストーン氏だ。
「広告主が、本当にブランドを代表するインフルエンサーと協力することを選べば、問題はないはずだ。オーディエンスがパートナーシップを理解すれば、透明性があることを歓迎するだろう」とシルバーストーン氏は述べた。
Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)
