「モテない男」をディスる男性が危険な理由

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お嬢さん。

幸せな恋愛をゲットするための、たったひとつの冴えたやり方をご存じでしょうか?

それは「悪い男に捕まらない」こと。

いいですか?

この世には、貴女の心と身体を奪おうとする獣や悪魔がたくさんいます──いま、この画面を見ながら想像したよりもずっと。本連載では、そんな「悪い男」の手口を紹介していきます。

それをどうか心の中にファイルしてください。危ない色のファイルですが、いつか役に立つときがくるはずですから。

■本日の恋愛ブラックファイル

「え、その男ヤバくない?」
「モテない男の必死感があるね」
「こういうLINEちょっとキモいよね」

わかりますか、この感じ。

この「モテない男性をディスってる」という感じ。

正直、めっちゃ盛り上がります。悪口ほど、スリリングな話題もありませんよね。

ダーゲットはさまざまです。

過去から、一般論、現在まで。未読無視してるのに、貴女に、毎晩のように追撃LINEを送ってくる「残念な(モテない)男性」の話かもしれません。あるいは「一度も話したことないのに、ある日、いきなり告白してくる男子っているよね……」という非モテあるあるの話かもしれません。

いずれにせよ、モテない男性を、ちょっとキツく批評するわけです。

「ちょっと」とたしなめながら貴女は笑います。それを見て「あ、そっちも悪い顔で笑ってるじゃん」と彼にツッコまれるかもしれません──自分に言い寄ってくる男性を話題にすることで“自分はモテる”という気分になるのは快感ですから。あるいは「そういうの本当に困るよね」と、真面目なトーンで返してくることもあるでしょう。

女性は、なんだかんだ「モテない男性」からのアプローチに困った経験があるはずです。

だからこそ、そんな話を共有できる男性は貴重です。

ああ、この人は女心をわかってくれてる。変なことをしないってことかも。やっぱりモテるんだろうな。スマートで会話も楽しいし、だったら──。

ダウト!

お嬢さん。それが悪い男のブラック恋愛術なのですよ。

よろしいですか?

悪い男は「“モテない男”をあえて一緒にディスる」のです。いっしょに盛り上がって、貴女の信頼を勝ちとるために。その心の底で何を考えているか、ご存じですか?

■この手口を使う悪い男のタイプ

ズバリ「非モテ攻撃系男子」です。

このタイプは計画的に会話を運びます。

見た目は会話上手でスマートに見えるでしょう。ちょっとオラオラ系が入っているかもしれません。

しかしその裏では、デート中に、どんな話をするかまで考え抜いています。その口から出るひと言ひと言に、貴女を誘惑するための作戦をこめているわけです。

そのなかに「モテない男性をいっしょにディスる」という台本があるのですね。

そして非モテ男子をディスるからには「自分はそうじゃない(モテる側である)」という空気を醸し出すのが上手です。モテそうな空気もあることでしょう。

もちろん、そうした会話をする男性全員が悪い男というわけでありません。ただ、貴女の感情を動かして遊ぶためだけに「非モテをディスる」男には気をつけるべきでしょう。

その男性との会話はスリリングなはずです。心もあずけてしまいそうになります。しかし、その正体は、己の欲望のために貴女を騙そうという悪い男なのです。

■この手口を使う効果と男性心理

悪い男がこの手口を使う理由はシンプルです。

会話を盛り上げて、貴女の信頼を勝ちとるため。

そのためにモテない男性をディスるのです。

いままで、学校や職場で、その場にいない人物の悪口を言うことで、グループの仲間意識が強まったことはありませんか。良くも悪くも、悪口には、ある種の共犯関係として信頼関係を強める効果があるのですね。

・その場にいない人物であること
・悪口を言いやすいこと

この2つがポイントです。つまり悪い男からすれば「モテない男性をディスる(その話題を共有する)」ことが効果的なのです。貴女の心を惹きつけるために。

貴女を誘惑するためだけに第三者を貶める手口。まさに悪い男のブラック恋愛術です。

■この手口の見破り方と対処法

この手口の見破り方を紹介します。

とてもシンプルです。

とにかく「ほかの男性をディスる発言が出たかどうか」です。

さりげに過去の恋愛や、最近言い寄ってきた男性の話を聞き出してくるかもしれません。あるいは恋愛トークのときに「こういうモテない男っているよね」式のトークが飛び出すかもしれません。

また、ディスる対象は「モテない男性」ではない場合もあります。

会社の上司、女友達、通行人、横柄な店員、お店のマズいメニュー、おかしなインテリア、お店の商品──どんなものだって、ディスることで貴女と共犯関係になれます。

何かを批評するのは楽しいものです。

会話が楽しければいいのもわかります。

しかし、覚醒剤のようにハイになってしまう話題というものもあります。それを計算で繰り出そうとする男性には要注意です。

お嬢さん。

その話題、少々、スパイス効きすぎてない?

(文:浅田悠介、イラスト:ますだみく)