電動式と比べると構造はとてもシンプルだ

 パーキングブレーキは軽自動車でも電動化が進み、ボタンひとつで引くというか、かけられるようになっている。またオートモードが付いていれば、勝手にかかったり、解除されるのも便利なところだ。

 一方で、別名ハンドブレーキとも呼ばれるような手で引くタイプも少なくなったとはいえ健在だし、同様に足踏式もまだ残っている。

 電動式のほうが良さそうだが、アナログで操作するタイプにもメリットはある。まずはコストが安いこと。仕組み的にはワイヤーで引っ張っているだけなので、とてもシンプル。シンプルということは、コストも安く済むことにもつながる。

 一方の電動式はモーターやアクチュエーターでワイヤーを引っ張っているわけではなく、信号を送って作動させているのでコストはかさんでしまう。ただ、普及するにつれ、コストは手で引くタイプにかなり近づいているようではある。

自身の手で作動状況を確認できるのは安心感につながる

 そのほか作動がわかりやすいのもメリットだ。引いているのか戻しているのは手や足の感覚でわかるし、一応念のために戻し直してみるときでも一瞬でできる。一方の電動式だと、慣れればいいだろうが、ボタンを解除するのは押すのか引くのかはメーカーによって違うこともあり、迷うこともある。

 あとは特殊な例かもしれないが、雪道で滑ったときなど、緊急的にタイヤをロックさせて、微妙に調節するのはやはりアナログ式にしかできないだろう。電動式だとオンかオフの2択しかない。

 と、長所をあげてみたが、これだけといえばこれだけ。運転席まわりのデザインをすっきりとさせられるなど電動式のメリットは多いし、最近では安全装備の普及で電動式にするのも難しくはなくなっている。今後も手動タイプのサイドブレーキが減っていくのは確実だろう。