今年2月に11年半プレーしたナポリを退団したハムシク。新天地で直面したのは……。(C)Getty Images

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 移籍にリスクは付き物だ。とりわけ国やリーグが変われば、プレースタイルや環境の変化への適応に少なからず時間を要するのは避けられない。文化がまったく異なる地域への移籍となれば、なおさらだ。

 スロバキア代表のマレク・ハムシクは今年2月、11年半に渡って在籍したナポリから大連一方に移籍。ブレッシャ時代を含めると17歳から過ごしたイタリアを離れ、中国の地で新たなスタートを切った。

 だが、ナポリで腕章を巻いた男が新天地で苦しんでいる。ここまでスーパーリーグで6試合に出場したが得点はなし。前節はついにメンバー外となった。
 
 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ハムシクは地元メディア『CCTV』で「自分のパフォーマンスには満足していない。つねにベストを尽くそうとしているけど、これほど難しい状況に陥ったことはないよ」と、苦境にあることを認めた。

「何度もチームメートとコミュニケーションを取ろうとたんだけど、言葉のせいでそれができない。だから、ジェスチャーで分かってもらおうとしているんだ」

 あまりの環境の変化に、短期間でアジアの地から去ろうとする“助っ人”も少なくない。だが、ハムシクは困難に屈しない闘志を見せている。

「中国とヨーロッパのサッカーには大きな違いがある。だけど、僕は適応していくつもりだ。ピッチ内外で真剣に取り組むことが非常に重要であり、最大限の努力をしていく」

 ナポリのレジェンドであるディエゴ・マラドーナを上回るクラブ最多得点記録を打ち立てた“英雄”は、31歳になって迎えた新たな苦難に打ち勝てるのか。今後のパフォーマンスが注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部