太陽光発電システム、「屋根貸し」に再脚光のワケ
19年になり、電力会社も同事業に目をつけ相次ぎ参入する。16年4月に電力小売り全面自由化が始まり、新たな顧客獲得が狙いだ。
大手電力会社でいち早く参入した東京電力グループのTEPCOホームテック(東京都墨田区)は、省エネルギー・リフォーム提案の一環で18年7月にサービスを始めた。「初期費用がネックで導入に悩む顧客ニーズに応えるため事業を始めた」(同社広報)。土屋ホームなどの住宅会社や太陽光発電会社などと幅広く協業する。
中部電力も19年2月、資本参加する新電力のLooop(東京都台東区)と協業し、中部の営業エリアで屋根貸し事業を始めた。さらに関西電力は京セラと同事業を行う新会社を設立し、関東と中部エリアで今秋にサービス提供する計画だ。
関電の岩根茂樹社長は「顧客に多くの選択肢を提供し、再エネの利用を広げたい」と協業の狙いを語る。京セラの谷本秀夫社長は「再生エネルギー事業を拡大していく」と、赤字が続く太陽光パネル事業の収益を改善したい考えだ。
「屋根貸し」事業の契約は10年間が原則。つまり電力会社は10年間は顧客を囲い込めることになる。今後は「新電力や工務店などの参入も増えてくる」(太陽光発電関連会社)。ただ住宅向けのFIT価格は年々下落し、19年度は1キロワット時当たり前年度比約2円減の24円。今後も数円ずつ下がり続ける。
屋根貸し事業者は売電収入で初期費用分の一部を回収する。年々下がると採算性が悪くなる。新規参入を目指す新電力会社は「事業の決断としてはこの数年が勝負になる」と見ている。
(文=大阪・香西貴之)
