五輪で連覇を果たした羽生結弦【写真:Getty Images】

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ドミトリエフは史上初めて3回転ルッツ―3回転フリップのコンビネーション決める

 フィギュアスケートで五輪連覇の絶対王者・羽生結弦(ANA)にライバル出現!? ネーベルホルン杯で3位に入ったアルトゥール・ドミトリエフ(ロシア)は公認大会初の3回転ルッツ―3回転フリップの連続ジャンプに成功。ロシアメディアに対して、羽生も目標としている4回転アクセルに挑戦することを明言。皇帝エフゲニー・プルシェンコ氏も「もしかしたらハニュウよりも先に4回転アクセルを跳べるかもしれない」と話しており、注目度が増している。

 ロシアの26歳、ドミトリエフは父もフィギュアスケーターで、1992年アルベールビルオリンピック、1998年長野オリンピックのペア金メダリスト。ジュニア時代から知られる選手だが、ここにきて再び注目を集めている。

 ロシアメディア「sports.ru」が同大会の後にインタビューを行っている。公認大会初の3回転ルッツ―3回転フリップの連続ジャンプのアイデアについては、「私は以前にサルコーを跳び始めたのですがその後に思いました、ルッツとフリップの連続ジャンプを試してみたら面白いんじゃないかなと」と明かしている。

 初めてのことに挑戦することへの、高いモチベーションを口にしているドミトリエフ。チャレンジへの意識はこう語っている。

「何か新しいことをするということは面白い。もちろん一定のリスクはあります、なぜならそれができるかどうかに関して、いつもはっきりしているわけではないし、すべての人が(その可否を)知っているわけではないから。私たちが何かしかの新しい試みに関して話すとき、必ずリスクがあります。それは受け入れる必要があるし先に進まなければなりません」

プルシェンコも太鼓判「難しいけど可能性はある」

 そうなれば次の目標となるのは、まだ誰も成し遂げていない4回転アクセル。同メディアのインタビューに慎重に答えている。

「徐々に練習しています。ポジティブな方向で前進しています。でもこのことに関しては多く話したくありません。試合で4回転アクセルを披露したい。自信が出てきてプログラムを滑りこんで形が出来てきたら、試してみます」と意気込んでいる。

 また別のロシアメディア「R-sports」によると、ドミトリエフのコンサルタントを務めるプルシェンコ氏は以前のインタビューで、「ドミトリエフはもしかしたらユヅル・ハニュウより先に4回転アクセルを跳べるかもしれない。難しいけど可能性はある」と語りながらも「私は自分の目で見たが、ユヅル・ハニュウが行っているアクセルの試みはとても良い。私はもちろんユズル・ハニュウが4回転アクセルを見事に跳んだらとても嬉しい。ユヅは現代でとても優れたフィギュアスケーターだ。ぼくはこれを言うのをやめないよ!」と羽生へのエールも忘れなかった

「sports.ru」はドミトリエフが、今年2月のロシア杯のフリーで4回転アクセルを組み込んだが転倒したことも伝えている。

 羽生は8月のトロントの公開練習で「4回転アクセルが一番の目標。今季中にやっておきたい」とコメントしていた。体への負担も大きいとされる4回転アクセル。一番最初に決めるのは誰か――。今季のフィギュア界の関心事の一つとなりそうだ。(THE ANSWER編集部)