16日放送、毎日放送「戦え!スポーツ内閣」では、タレントの武井壮が中日ドラゴンズの松坂大輔にインタビュー。4241日ぶりの日本球界での白星を振り返った。

4月30日の横浜DeNAベイスターズ戦で、12年ぶりに日本で勝利を飾った松坂は、感想を問われると「あまりに間が空き過ぎて、なんかもう不思議な感覚」と返答。球場のファンの反応で実感が湧いてきたという。

100%で開幕を迎えるのではなく、「20〜30%は戦いながら上げていきたい」との考えで調整をしてきたという松坂。今までは痛くない投げ方を探して「やりたいフォームではなかった」が、肩の痛みがなくなったことで「だんだん自分の思っているように体を使えるようになってきた」と述べた。

「チームも連敗中だったので、止めるのは自分しかいない」と意気込んでいたDeNA戦、試合前は球が暴れていたという。「ブルペンを見ていたコーチや選手が『今日この人大丈夫かな』と思うくらい」「コーチは心配で仕方なかったと思う」と、周囲は懸念していたようだ。だが、松坂自身は「ある意味自分らしいというか、試合入ったら落ち着くんじゃないか」と冷静だったと明かした。

高校の後輩である筒香嘉智との対戦を振り返る中で、松坂はかつて中村紀洋や松中信彦といった強打者と勝負してきたことを思い出したそうだ。「ワクワクする感じ」に「久しぶりだな、なんかイイな」と感じたと話すなど、試合中も野球を楽しめたことがうかがえる。

試合後には、恩師の東尾修氏から電話があり、「お前は力投派に戻りたいのか、技巧派になるのか、どっちなんだ」と言われたそうだ。松坂は「昔の僕を思い出してくれた」と、東尾氏が喜んでくれたエピソードを笑顔で披露した。

笑顔といえば、勝利投手の権利を手にして6回を投げ切った際、松坂はライトフライで3アウトとなった瞬間、天を仰いでから笑顔を見せた。ベンチに戻ったときにも、再び笑みがこぼれている。

このときの心境を問われると、松坂は恥ずかしがりながら、ライトのモヤが理由だったと明かした。思っていた以上に守備位置が前だったモヤのボールの追い方を見て、「もしかしてこれ、あるかも」と“モヤモヤ”しながら見ていたという。

だからこそ、モヤがしっかりと捕球したのを見て、安堵から笑顔がこぼれたという松坂は、ベンチに戻った際の笑みも、思い出し笑いだったと振り返った。