「奇をてらわず愚直に真正面から訴える」と枝野氏

写真拡大

 小泉進次郎氏と応援演説がバッティングした立憲民主党代表の枝野幸男氏(53)は11日夕、千葉・松戸を離れて同県のJR新浦安駅前で応援演説に立った。

 買い物帰りの主婦や帰宅途中のOLらが足を止め、枝野氏を半円形に囲んで演説に耳を傾けた。

「日本の危機は2つあります。国民生活の危機と、立憲主義・民主主義の危機です。アベノミクスで株価は上がりました。潤っている企業もあります。じゃあ、みなさんの暮らしはいい方向に進んだのか。もう5年たっています。残念ながら格差の拡大、貧困、社会の分断、この5年の間にますますひどくなっていませんか」

 熱がこもって言葉に力が入り、しゃがれ声が痛々しい。しかし、聴衆から拍手を浴び、「そうだ!」と声がかかると、またボルテージが一段と上がるのだった。

「権力があるんだから何したっていいじゃないか。下々の者は言うことを聞け。そんな政治じゃないですか、いま。そもそも安倍さん(首相)の持っている権力は制限された権力です。憲法というルールに基づいて総理大臣は権力を預かっているんです。ルールに従って、この権力は使われなければいけないんです!」

 演説終了後、枝野氏に聴衆の反応について聞いた。

「正直言って、反応がいいので実はこちらも力が入ってしまって……。のどには自信があるんですけど、早い段階でこんな声になっています。ちょっと考えないといけないと思います(笑)」

 のど飴をなめたり、できるだけうがいをすることを日課にしているという。

 この日、枝野氏が応援に入ったのはジャーナリストで元朝日新聞編集委員の山田厚史氏(69)。ニュース番組にコメンテーターとして出演したこともあり知名度がある。

 山田氏は、

「草の根の市民連合に引っ張り出されました。昭和ブルースって知ってるかい? 何も言わずに死んでいくなら、こんなさみしいことはないってね。枝野さんたちが決起しているんだから、逃げてあとで悔やむことはしたくなかった」

 と熱い気持ちが伝染しているようだった。

 ちなみに、枝野氏に進次郎氏との応援演説バッティングについて聞くと、

「はいはいはい。少しずれればよかったのにねえと思っていましたけど」

 と、さほど気にしていない様子だった。