「ぐねる」の勢力分布が見えてきた! わかる派→西日本、わからない派→東日本
「ぐねる」という言葉がある。関西では一般的に使われている言葉だ。東京に移り住んだ関西人が何気なく使ったところ、まったく通じなかったという。「え、これ東京では使わへんの?」「これって関西弁やったん?」と、関西人は絶句するほど驚いた......。
そこでJタウン研究所では、「『ぐねる』意味わかる?わからない?」に関して、都道府県別にアンケート調査を行った(総投票数1184票、2017年7月19日〜9月26日)。
はたして、その結果は――。
なんと東京では半数以上の人に......?
「ぐねる」の意味がわかる?という問いかけに対しての結果が、下の円グラフだ。「わかる」は611票、51.6%、「わからない」は573票、48.4%だった。「わかる」派「わからない」派は、ほぼ互角である。
「ぐねる」意味わかる?わからない?(Jタウンネット調べ)
「わかる」と答えた人の率を、各県ごとに0〜40%、41〜60%、61〜80%、81〜100%と4段階に分け、比較を試みてみた。その結果を色分けすると、上のような日本地図になった。投票がない場合は、白地のままにした。
色分けされた地図を見ると、「わかる」率が高い赤とオレンジは、関西から四国、九州の一部など、とくに西日本に集中しているようだ。一方、「わかる」率の低いグリーンは、中部、関東から東北へと、東日本に広がっている。また中国、九州の一部にも分散している。詳しく見ていくと、グリーンの色が目立つような気がする。調査結果を仔細に見てみよう。
まず、「わかる」派の本家本元・大阪府を見てみよう。「わかる」は88.5%。「わからない」は11.5%だった。「わかる」派圧勝である。また京都府(90.9%)、兵庫県(80%)、滋賀県(75%)、奈良県(100%)、和歌山県(80%)と、当然のことだが、関西は「わかる」派完勝だった。
次に、東京都の結果を見てみよう。総得票数は849票で、全体の7割以上を占めていた。「わかる」は470票で、55.4%。「わからない」は379票で、44.6%で、「わかる」派は半数を超えた。色分けすると黄色となった。「ぐねる」は、なんと東京では半数以上の人に通じるようだ。関西出身者も多く上京しているからだろうか。
足元に気をつけて、「ぐねる」かも......
関東各県を見てみよう。「わかる」は神奈川県(26.7%)、埼玉県(27.3%)、千葉県(0%)、茨城県(33.3%)、栃木県(33.3%)、群馬県(0%)、「わかる」率はぐっと低くなる。色分けすると、ほとんどグリーン一色となる。「ぐねる」という言葉は、「関東では通じない関西弁」と言えるかもしれない。
北日本を見てみよう。北海道(25%)、青森県(50%)、岩手県(0%)、秋田県(50%)、宮城県(50%)、福島県(0%)と、「わかる」率は相当に低い。「ぐねる」という言葉は、北日本では通じにくいと言えるだろう。
この傾向は中部地方でも見られた。静岡県(0%)、愛知県(32.1%)、岐阜県(50%)、三重県(33.3%)、富山県(0%)、石川県(5.2%)など、「わかる」率は低い。「ぐねる」という言葉は、中部地方でもかなり通じにくいと言えるだろう。
関西ではよく使われる「ぐねる」(足をくじく、捻挫する)という言葉、半数近い人が「わかる」と答えてはいるものの、西日本の一部以外ではかなり通じにくい言葉と言っても良さそうだ。