人材サービスのインテリジェンス(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、6月の転職求人数は前年同月比21.0%増で31カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した。転職希望者数は同33.4%増だった。

 求人数は前月比1.9%増、前年同月比21.0%増、転職希望者数は前月比3.5%増、前年同月比33.4%増だった。求人倍率は前月比0.03ポイント減の2.43倍となった。

 業種別にみると、求人数が増加したのは9業種(その他を含む)のうち「IT・通信」「メディア」「メディカル」「メーカー」「商社・流通」「サービス」の6業種だった。特に伸びたのは、「メディア」(前月比4.9%増)、「IT・通信」(同3.6%増)。

 「メディア」では、Web広告の需要が高まっているため、インターネット広告代理店で採用が活発化している。未経験者や若手を歓迎するポジションも増えている。

 「IT・通信」では、WebサービスやSIer(システムインテグレータ)で求人数が増加した。増員によりサービスの拡充を図る企業が多く、営業系やITエンジニアの採用が特に盛んだった。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
メディア  4.9%増
IT・通信  3.6%増
メーカー  3.3%増
商社・流通 3.3%増
メディカル 2.7%増
その他   1.4%増
サービス  0.6%増
金融    1.3%減
小売・外食 2.8%減

 職種別では、求人数は11職種のうち「営業系」「企画・管理系」「技術系(IT・通信)」「技術系(化学・食品)」「技術系(建築・土木)」「専門職」 「クリエイティブ系」の7職種で増加した。

 特に伸びたのは「専門職」(前月比15.7%増)、「営業系」(同4.1%増)だった。

 「専門職」では、基幹システムの見直しや、データ活用に力を入れる事業会社が多く、ビジネスコンサルタントの求人数の増加が続いている。金融専門職では、マイナス金利を受けてファンドマネジャーなど運用のプロフェッショナルを増員する企業が増加傾向にある。

 「営業系」では、インターネット広告代理店や、人材サービスで求人数が増加した。

【職種別 求人数増加率(前月比)】
専門職       15.7%増
営業系       4.1%増
クリエイティブ系  2.7%増
企画・管理系    2.0%増
技術系(建築・土木)1.8%増
技術系(化学・食品)0.7%増
技術系(IT・通信) 0.5%増
事務・アシスタント系0.2%減
技術系(メディカル)0.6%減
技術系(電気・機械)1.5%減
販売・サービス系  2.4%減

 今後の転職市場についてインテリジェンスでは、「7月以降も求人数は緩やかに増加する見込み」と指摘。

 また「人気の高い求人にはたくさんの応募が集まって競争率が高まり、企業も条件をそれほど緩和せず、条件を満たす人材が見つかるまで採用活動を続ける傾向にある」とコメントしている。