選手たちからの「甲子園に連れて行く」が実現! 東海大市原望洋高等学校
千葉県市原市にある東海大市原望洋高等学校。2016年から東海大望洋から東海大市原望洋へ校名変更。昨秋は千葉県大会優勝、関東大会準優勝を果たし、校名変更後初となる甲子園出場を決めた。
昨夏の木更津総合戦が最上級生の糧にアイシングを手伝う佐々木玲奈さん(東海大市原望洋)
2010年以来の選抜出場を果たした東海大市原望洋。2年生40人、1年生32人と計72人もの部員を支えているのは、2年生の大野 賢くん、1年生の佐々木 玲奈さん、秋本 満帆さんの3人マネージャーたちだ。
日々の活動内容は、お茶出しや選手の怪我の手当てに加え、ノックやティーバッティングの手伝いなどの練習サポート、また試合時のスコア付け、アナウンス、外部対応など、中から外までの仕事を、全てこなしている。「選手の気持ちが分かるように、できるだけ選手のそばで活動しています」と、日々熱心なサポートを続けている。
2年生の大野くんがマネージャーになったきっかけは、自分の意志によるものだった。1年生の時はまだ選手だったが、同期にはマネージャーがいなかった。そこで「チームのために貢献したい」という気持ちが芽生え、マネージャー転向を決意。チームを支える側に立った大野君はマネージャーを通して、自身の成長を肌で感じている。
「まず視野が広くなりました。苦手であった、コミュニケーション能力が上がったり、今まで以上に相手を考えるようになりました」
特に印象に残っている試合として、大野くんが挙げてくれたのが、昨夏の準々決勝、千葉マリンスタジアム(QVCマリンフィールド)で行われた、木更津総合戦だ。木更津総合・早川 隆久、東海大市原望洋・島 孝明の両エースの投げ合いに集まったこの試合は、4回に1点を先取され、その後はお互い0が続く投手戦となった。しかし東海大市原望洋は最後まで、得点を奪うことができず、0対1で涙をのんだ。
「この悔しさが自分たちの代のバネになっていると思います」
その言葉通り、昨秋の県大会は見事優勝を果たし、関東大会出場。また、関東大会では決勝戦で作新学院に敗れはしたものの、準優勝を果たし、選抜を確実なものにした。
バッティングピッチャーやノッカーも務める大野賢マネージャー(東海大市原望洋)
唯一の男子マネージャーである大野 賢くん。選手1人1人に気を配れるマネージャーになりたいということからか、練習では自らバッティングピッチャーを務めたり、ノッカーを務めたりと、精力的に動いている。練習が終わったときなどに言われる「ありがとう」という言葉をかけられたときに、1番やりがいを感じるそうだ。
また、大会などで記録員としてベンチ入りする時間が1番楽しい時間と話す。「スコアを付けながら、選手を応援して、勝ったときには喜びを感じます」
しかし、指導者の指示通り動くことができず、挫折を経験したことがあったそうだ。その中で、選手たちに言われた「甲子園に連れて行く」という言葉は今でも心に残っており、「本当に行けることになって嬉しい」と語ってくれた。
大野くんをはじめとするマネージャーたちの存在について選手たちは、「縁の下の力持ちのような大切な存在です。いつも選手の事を考えながら動いてくれたり、支えてくれたりするので、とても感謝しています。夢であった甲子園に一緒に行けることは、恩返しができるという事もあり、とても嬉しいです」と、3人のマネージャーの存在の大きさを話してくれた。
最後に大野くんは、「今までやってきたことを精一杯発揮してもらえるように、選手を支えたいです」と意気込んだ。大野くんをはじめとするマネージャーの頑張りが実を結んだ選抜に期待したい。
東海大市原望洋の選手たちはみんな仲良し。ぜひ大野くんの想いに応え、初勝利をもたらすことを期待しています!