日本生産性本部の「コア人材としての女性社員育成に関する調査」によると、女性の活躍推進の取り組みとして、7割以上の企業が「出産・育児・介護のための短時間勤務制度」の効果を感じていることが分かった。

 人事担当責任者やダイバーシティ推進責任者に対して、女性の活躍推進の取り組みの中で効果があった(出つつある)内容を聞いたところ、「出産・育児・介護のための短時間勤務制度」(75.4%)が最も多かった。

 その他では「非正社員から正社員への転換・登用」(60.2%)、「法定以上の出産・育児・介護のための休暇制度」(52.3%)、「ハラスメント対策のための研修実施」(51.6%)、「女性社員への教育・研修参加機会の拡大」(50.8%)が半数を超えた。

 女性の管理職登用に関する内容はまだ効果があった(出つつある)ものは少なかったが、「管理職候補者のリストアップ、積極的登用」(39.8%)、「管理職候補を対象とした意識喚起のための研修」(35.1%)が3割を超えた。

 女性の活躍が「業績向上の要因の一つとなっている」(20.3%)、「業績向上へのつながりは
みられないが、組織が活性化するなど変化がある」(28.3%)と回答した企業が共に前年から増加している。

 女性社員の活躍を推進する上での課題は「女性社員の意識」とする企業が80.9%と最も多く、「育児等家庭的負担に配慮」(55.2%)、「管理職の理解・関心が薄い」(53.1%)が続いた。「男性社員の理解・関心が薄い」(45.8%)も半数近くに上った。

 女性社員が管理職以上のポストにつくことへの期待は、「役員クラスまで期待されている」(31.5%)、「部長クラスまでは期待されている」(18.9%)、「課長クラスまでは期待されている」(28.5%)となった。

 女性社員の活躍推進を経営方針または経営計画などで「明文化している」企業は33.2%で、前年の23.0%から増加した。「明文化していないが検討課題となっている」企業は38.5%となった。

 女性活躍推進法で提出した行動計画の進捗については、300人以上の企業では「予定通りに進んでいる」(41.5%)、「一部は予定通りに進んでいる」(48.0%)で約9割を占めた。一方、300人未満の企業(努力義務)では「対象となっていないため、提出していない」が約6割(58.8%)だった。

 調査は2016年8〜9月に、533社の人事担当責任者またはダイバーシティ推進責任者から回答を得た。