外資系人材紹介会社のロバート・ウォルターズ・ジャパン(東京・渋谷、デイビッド・スワン社長)が日本の最新雇用動向とバイリンガルの職種・業種別給与水準をまとめた「給与調査2017」を発表した。人材不足が継続し、多くの産業・職種で給与増を予想している。

 ロバート・ウォルターズは、多くの企業がバイリンガルプロフェッショナルのような少ない人材をめぐって獲得競争を繰り広げ、2016年と同様な人材不足が2017年も続くと予想している。 国内で特に需要の高いスキルに、営業プロフェッショナル、エンジニア、ITプロフェッショナル、HRプロフェッショナルを挙げ、「セキュリティ/リスク関連の IT プロフェッショナル」「シニアレベルの営業プロフェッショナル・アカウントマネジャー」は20%以上の昇給、「ファクトリー/プラント・マネジャー」「セールス・マネジャー(化学業界)」は最大20%の昇給、「HR マネジャー/ディレクター」「ファンド・マネジャー」は最大10%の昇給が見込まれると分析している。 人材を確保するためにロバート・ウォルターズは「採用担当者は優秀な人材を確保するため競争力のある給与水準に加え、キャリアアップなど金銭以外のメリットを提示する必要がある」と指摘している。 主な産業・職種別の給与調査の結果は次の通り。データサイエンティスト、製薬/製造/フィンテック/クラウド分野の営業、マーケティング担当およびエンジニアに対する需要が堅調。給与水準は、セキュリティ/リスク関連ITプロフェッショナルを中心に上昇(最大25%増)再生可能エネルギー分野、自動車分野のエンジニア、高性能な電子材料を取り扱う化学分野の人材需要が堅調。サプライチェーン、調達プロフェッショナルに対する採用要件が複雑化。給与水準は、営業スペシャリスト/エンジニアを中心に上昇(最大20%増)。中枢神経系、癌、免疫、稀少疾患、メディカルアフェアーズ領域のプロフェッショナルに対する需要が堅調。関西では医療品開発・販売業務受託機関の技術系人材、医療情報担当者(MR)、営業担当に引き合い。医師などの専門家、 製品開発(R&D)、薬事(RA)、品質保証(QA)のスペシャリストの給与水準が上昇 (最大20%増)。バイリンガルの営業、マーケティング人材、デジタルマーケティングスペシャリスト(企業内、広告代理店)、オンライン事業(Eコマース)向けITエンジニア、エンターテインメント、旅行、ホスピタリティ分野のプロフェッショナル(東京五輪関連)の採用需要が堅調。ジェネラルマネジャー、プロダクトマネジャー、セールスマネジャーの給与水準が上昇(最大20%増)。FP&Aスペシャリスト、会計スキル(公認会計士)の需要が堅調。FP&Aスペシャリストの給与水準が上昇(最大15%増)。製薬/テクノロジー分野のコーポレートロイヤー、金融企業のコンプライアンス担当者(アドバイザリー、コントロールルーム、サーベイランス)の採用需要が堅調。製薬/テクノロジー分野のコーポレートロイヤー、バイサイド金融企業の法務・コンプライアンス担当者の給与水準が上昇(最大20%増)。バイリンガルの採用担当者 (プロフェッショナルサービス/専門職、IT、ヘルスケア分野)の需要が堅調。人事ビジネスパートナー、人事ジェネラリスト、福利厚生スペシャリストの給与水準が上昇(最大15%増)。