ホワイトカラーの労働生産性の向上が多くの企業で人事の重要課題となっていることが、経団連の「人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」結果で明らかになった。

 主要企業の労務担当役員以上を対象にした調査結果によると、ホワイトカラーの労働生産性向上について、「極めて重要な課題である」(42.6%)、「重要な課題である」(55.7%)と回答している。

 労働生産性向上における課題(3つまで回答)を聞いたところ、「限られた時間の中で仕事の成果を出すという意識の浸透が難しい」(52.8%)、「部門や従業員間の業務量のバラつきが大きく、業務の標準化が図りづらい」(48.5%)、「日常業務に追われ、取組みが後回しになっている」(39.9%)、「部門や従業員により課題認識や取組み方の差が大きい」などが多く挙がった。

 既に実施している取り組みは「数値目標を掲げた時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進」(65.1%)、「経営トップによる継続的なメッセージの発信」(62.4%)、「セミナーや研修等による従業員の教育」(54.1%)が多かった。

 着実に成果が出ている取り組みは「数値目標を掲げた時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進」(取り組んでいる企業の63.9%)、「定型的な業務の集約化やアウトソーシング、委託業務の内製化」(同60.2%)、「会議や打ち合わせの効率化」(同51.3%)が多かった。

 一方、「管理職のタイムマネジメント能力の人事評価への反映」は、取り組んでいる企業の24.7%しか成果を感じていない。 

 若年社員の定着状況の改善に向けた取り組みについて「必要であると感じている」企業は73.6%に上った。

 改善に向けて有効と考える取り組みは「職場での良好な人間関係の構築」(60.7%)、「能力や適性に合った配置、納得性の高い評価制度の整備・運用」(54.4%)が特に多かった。

 調査は2016年7月〜8月に実施し、経団連加盟企業など477社から回答を得た。