労務行政研究所が東証上場企業を対象に実施した「賃上げに関するアンケート調査」によると、上場企業の23.7%がベースアップを予定していることが分かった。昨年に比べ厳しい見通しとなっている。

 2017年にベースアップを「実施する予定」と回答した企業(経営側:人事・労務担当部長)は23.7%となった。15年に35.7%、16年に30.1%と高い割合が続いていたが、17年の見通しでは2割台に減少している。

 16年のベアの実績では「実施した」が48.1%で、予定(30.1%)に比べて多くの企業がベアを実施した結果となっている。

 労働側(労働組合委員長等)もベースアップを「実施すべき」(60.0%)が前年(74.5%)から減少した。

 定期昇給については経営側の85.9%が「実施する予定」としている。

 17年夏季賞与水準の見通しは、前年に比べて「同程度」が経営側60.7%、労働側58.5%を占めた。「増加する」は経営側が14.1%、労働側が16.0%となっている。

 労使の当事者と学識経験者に聞いた今年の賃上げ(定期昇給分を含む)の見通しは、全回答者471人の平均で2.00%(6332円)となった。労使別にみると、労働側1.98%(6235円)、経営側1.99%(6286円)。

 厚生労働省の16年主要企業賃上げ実績は2.14%(6639円)だった。

 調査は、東証第1部、2部上場企業を対象に実施し、1月16日までに経営側135人、労働側200人、労働経済分野の専門家136人から回答を得た。