マレーシア第3の都市でペラ州の州都、イポー。日本での知名度は高くありませんが、マレーシア国内では、美食の街として有名。イポー名物の食を目当てに、わざわざクアラルンプールから訪れる人も少なくないほどです。

ところが、イポーの魅力はグルメだけにはとどまりません。コロニアル調の瀟洒な建物や、エキゾチックなショップハウスが立ち並ぶイポーは、ノスタルジック散歩が楽しめる街。

それでありながら、観光客はそれほど多くなく、マレーシアの素朴な日常の雰囲気が楽しめる穴場の旅先なのです。歴史香るイポーの街を歩いてみましょう。

イポーのシンボル的存在がイポーの玄関口、イポー鉄道駅。ムーア風とコロニアル風の建築様式を取り入れた白亜の駅舎が優雅な雰囲気。鉄道駅のすぐ東側に、イポーの旧市街が広がっています。

マレーシアでストリートアートといえば、ペナン島のジョージタウンが有名。2014年、イポーにもペナン島で人気の壁画作家・アーネスト氏の作品が登場し、アートの波が広がっています。イポーは、マレーシアにおける新たなストリートアートの街としても注目を集めているのです。

イポーを代表するストリートアートが、マレーシアで人気のコーヒーチェーン「OLD TOWN WHITE COFFE」の本店に施されたアート。マレーシア名物の白珈琲を飲む男性の姿が味わい深い作品です。

マレーシアはマレー系、中国系、インド系をはじめとする多民族国家。ここイポーでも、異なる文化が共存する興味深い光景を目にすることができます。

広場を挟んで鉄道駅の向かいに建つのが、州立モスク。他に、インドやバングラデシュからやってきたイスラム教徒のためのインドモスクもあります。

州立モスクから南に歩いていくと、「リトル・インディア」と呼ばれるインド系の住民が集まるエリアがあります。

インドの民族衣装を売る店や、ゴールドショップ、ヒンドゥー教の関連グッズを売る店など、異国情緒満点の店が並び、イポーの他のエリアとはまったく違う独特の雰囲気が漂います。

そして、街のいたるところで見かけるのが、中国系の飲食店や漢方などのお店。古いショップハウスが並ぶ街並みは、なんとも風情があります。

このように、イポーは狭い範囲で多民族国家ならではの多様性を実感できる街なのです。

イポーの旧市街でぜひ訪れたい通りが、「Concubine Lane」。

ちょっとした観光ストリートのようになっていて、おしゃれな雑貨ショップや食べ歩きスナック、露店などが並ぶノスタルジックな通りは、歩くだけで楽しい気分になれます。

すぐ近くには、古い建物がモダンなカフェやハンドメイドの雑貨ショップに生まれ変わったマーケットもあります。

小さなショップだからこそ、他にはないユニークなアイテムが見つかりますよ。

「Concubine Lane」と並行して走るのが、「Market Lane」。

こちらはショッピングストリートではありませんが、紅白の傘や壁画を使った懐かしいムードのストリートアートが楽しめます。

派手な観光スポットがあるわけではありませんが、情緒ある風景と、街並みと一体化したアートが楽しめるイポーは歩くだけでも楽しい街。

ストリートアートを訪ね歩いたり、名物のグルメを堪能したりしているあいだに、心地よく時間が過ぎていきます。アートの街らしく、おしゃれなカフェも増えているので、のんびりした時間を過ごすのにぴったり。

イポーへの道は、首都クアラルンプールから鉄道またはバスでおよそ2時間半。クアラルンプールとペナン島のあいだに位置しているので、ペナン島に行く途中に立ち寄ってもいいですね。

新旧が混在する街並みがファンタジックな雰囲気さえ醸し出すイポー。これまで知らなかったマレーシアの新たな魅力を発見してください。

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