昨年1年間における日本の大手自動車メーカーの中国国内販売台数で、トヨタ、ホンダ、日産、マツダがいずれも前年比で増加した一方、スズキは同16.2%減と大きなマイナスになった。中国メディア・今日頭条は「スズキはどうして中国ではダメなのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)Hirotaka Ihara/123RF)

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 昨年1年間における日本の大手自動車メーカーの中国国内販売台数で、トヨタ、ホンダ、日産、マツダがいずれも前年比で増加した一方、スズキは同16.2%減と大きなマイナスになった。中国メディア・今日頭条は「スズキはどうして中国ではダメなのか」とする記事を掲載した。

 記事は、スズキ中国国内で販売不振に陥っている原因として「スズキが小型車の質を追求しているのに対し、国内消費者のニーズが見栄え、スペース、外観にあり、とにかく大きさを求めている」、「国内の合弁企業の製造レベルが、特に精密度において世界先進レベルに達していない」、「合弁による中国国内生産より質が高い輸入車は税金が高く、消費者の食指が動かない」という3点を挙げた。

 また、現在の合弁生産車はかつての品質重視路線とは異なり、中国国産車同様に「消費者のニーズに迎合する形で、可能な限り品質を抑えている」とも説明している。

 記事は、販売が低迷する一方で「中国国内にはそれでも真のファンがおり、特に一部のベテラン修理技師にはスズキのブランドに対してもはや忠誠心というべき感情を持っている」と説明。その未来について「自動車市場の成熟に伴い、SUVブームが一段落した後、都市では小型車が再び注目されるようになる。小型車を選ぶのであれば、真っ先にスズキということになる」と予測。「ゆえに、スズキは来るべき時のために力を蓄積しておくべきだ」と論じた。

 そして最後に、「実際、スズキ中国でダメと言うよりも、スズキは消費者のニーズに合わせて変わっていない。スズキが追い求めているのはなおも、小型車部門における王座なのである」と締めくくった。

 SUV華やかなりし現在の中国自動車市場。いくら国土が広いとはいえ、爆発的な自動車の増加は各都市において渋滞や駐車スペースの問題を引き起こす。消費者の興味がコンパクトなクルマへとシフトすることがあれば、他のメーカーもニーズに追随して小型車の生産に注力することだろう。そのなかで「小型車はやっぱりスズキだな」と消費者に再認識させられるかどうか。そこがスズキブランドにとっては真の勝負だ、というのが記事の見方のようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Hirotaka Ihara/123RF)