中国自動車市場では日系ブランドの好調が続いている。2016年上半期の日系車のシェア率は15.4%で、海外メーカーのなかでは19.5%のドイツ車に次ぐ2位となった。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国自動車市場では日系ブランドの好調が続いている。自動車情報プラットフォームのマークラインズによれば2016年上半期の日系車のシェア率は15.4%で、海外メーカーのなかでは19.5%のドイツ車に次ぐ2位となった。

 シェアの高さから中国における日系車の人気が伺えるが、一方で日系車購入を感情的に否定する人も一定数存在する。中国メディアの今日頭条はこのほど、日系車購入の是非を論じる記事を掲載した。

 記事はまず、経済のグローバル化が進んだ現在、合法的に自動車を買う人を非難するわけにはいかないと説明。中国で販売されている日系車は「合法的」に生産、販売されているわけで、異議を唱えるべきではないとの主張だ。そのうえで自動車購入の際に最も重要なのは安全性だと論じた。

 中国のネット上では、日系車は軽くてボディが薄く安全ではないとの意見が多数見られる。しかし記事は、自動車の安全性を決める最大の要素は「運転手自身にある」と指摘。交通法規に従って速度を守って運転していれば「事故に遭う確率はずっと減る」ためだ。都市部で運転をするにあたっては渋滞があるために時速80キロを超えて走行することは難しく、高速道路でも中国の法定速度は時速120キロであるため、どの車種でも事故時の安全性に大差はないと指摘。高速で走行中に交通事故にあえば「結局は死ぬだけ」で、結果は変わらないと主張した。

 最後に、中国の消費者には日系車について「燃費が良い車」と「手抜きの仕事をした車」というイメージがあると指摘。しかしながら、経済のグローバル化が進んだ現在、合法的に得た収入で自動車を購入するなら、どの自動車を選んだとしても「誰も非難すべきではない」と締めくくった。

 日系車の販売が好調であることは、中国で理性的な消費者が増えていることを示すものだ。日系車が正当に評価されるようになれば、中国での販売台数はもっと伸びるものと考えられるが、それには消費者のさらなる成熟が求められる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)