相手から学ぶこと・喜界・大島北

7点目を挙げる尚志館

 尚志館がシード校の貫録を見せ、喜界・大島北を圧倒し、1時間10分のスピードゲームでコールド勝ちした。

 初回、四球、エラーなどで無死満塁とすると、4番・豊留 大輝(2年)、5番・岩元 奎太(2年)が連続タイムリーを放ち、4点を先取した。2回も一死から連続四球とエラーで満塁とし、5番・岩元の犠牲フライ、6番・今熊 拓己(2年)の走者一掃中越え三塁打などで更に4点を加えた。投げてはエース柿元 啓(2年)、佐々木 駿太(1年)、西國 原光(1年)、3投手の継投で喜界・大島北打線を3安打完封した。

 喜界・大島北の連合チームはシード尚志館に完敗。中馬 輝監督は「一番ちゃんとしないといけないことを、徹底しきれなかった」と悔しがった。

 投手が与えた6四球、守備が喫した5失策の全てが失点に絡んだ。被安打6で11点とられているのはそのためだ。新チームスタートからそこを重点課題にして「キャッチボールからやってきたつもりだったのに、バッテリーや二遊間、チームを引っ張らなければいけない人間がミスして、流れに乗れなかった」(玉利 健太朗主将・2年)。

 今大会、喜界は9人で単独出場するはずだったが、1人ケガ人が出た。このため大島北の2年生・萩原 慎平、且 武蔵と合同チームを組んで秋に挑んだ。出場を決めたのは8月末で、合同で練習したのは2週間前に1度と、試合前日に鹿児島で合流して練習したのと2回だけ。大島北の2人は夏の県大会も経験しており、初球からでも打っていく積極性があり、中馬監督は2人を1、2番に据えて、打線の牽引車を期待した。短い期間の合同チームだったが「自分たちのチームにはない積極性を持っていて、学ぶものがあった」と玉利主将。

 対戦相手の尚志館からも「学ぶものがあった」と中馬監督。バットを短く持って鋭い打球を心掛けるなど「自分たちがやらなければいけない野球を相手がやっていた」と振り返る。玉利主将は「こんな結果ではわざわざ応援に来てくれた人たちに申し訳ない。今見えた課題を一つずつつぶして、春はもっと良いチームになりたい」と捲土重来を誓っていた。

(文=政 純一郎)

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