鹿児島南vs枕崎
�霰� 龍也（鹿児島南）
鹿児島南と枕崎。実力伯仲で互いに一進一退の攻防を繰り広げたが、シード鹿児島南が1点差で競り勝った。厳しい試合だったが八木 伸児監督は「ベンチも含めた全員の力で勝てた」ことに安どしていた。
中盤までは鹿児島南が優位に進めていたが、中盤以降は枕崎が盛り返し、劣勢の展開だった。8回裏にエラーを皮切りに同点に追いつかれ、終盤で試合を振り出しに戻した枕崎を勢いに乗せたかに思われた。
この劣勢を跳ね返したのは背番号2桁の控え選手たちだった。9回、八木監督は代打に背番号18の齊藤 大（2年）を送る。簡単に2ストライク追い込まれたが、そこから粘って四球を選び出塁すると、今度は背番号17の辻 渉人（2年）が代走で出た。
送りバントで二塁に進んだ辻は「練習試合でも決めて自信をつけた三盗」を狙う。1球目にけん制がきて、二塁手がカバーリングに入ったのを見届けると「二塁手の動きだけをみて、スタートを切る」と決めた。3球目、けん制がないと読んでスタートを切った。若干早過ぎたが、バッテリーが全く対応できず、三盗を決めた。
意表を突く三盗で動揺したのか、次の4球目が捕逸になり、辻が一気に勝ち越しのホームに滑り込んだ。その裏の枕崎の攻撃は、力投を続けたエース�霰� 龍也（2年）がしのいで、シーソーゲームにケリをつけた。足で勝利に貢献した辻は「試合前、全員で勝つとみんなで誓ったことが実践できて良かった」と喜んでいた。
劇的な勝利を収めたが、4失策するなどミスも目立った。八木監督は勝利チームが担当する試合後のグラウンド整備を試合に出ていたメンバーにさせた。「大事な初戦をみんなの力で勝てた。気持ちを込めて、グラウンドを整備してこい！」とハッパをかけて送り出していた。
（文＝政 純一郎）
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