打撃力アップの成果が出た6本の長打。投打に快勝した宜野座が4年連続20度目のベスト8へ進出

三塁打を放つ大嶺(宜野座)

 2番の大嶺二千翔と6番岸本恭里が2本ずつ、それに4番奥間太一に代打で登場した比嘉敬伍にも二塁打が出るなど、11安打中半分以上の6本が長打。記録には残らないが、その他の打者も外野への打球が目立つなど、新人中央大会とは違う宜野座打線のが姿がそこにはあった。

 1回、宜野座は死球とヒットの走者を犠打で送り二、三塁として奥間が三塁線を痛烈に破り2点を奪う。その後ボークで奥間が三塁に進むと、次打者が死球と盗塁を成功させて再びニ、三塁と小禄に強烈なプレッシャーを掛け続ける。ここで嘉味田洋人がレフト前へと運び二者が生還(二塁走者は本塁アウトのタイミングだったが中継の際、野手にボールが手に付かずセーフとなる)して4点を先制した。

 追い掛ける小禄は2回、二死二塁からワイルドピッチで三塁へ。ここで高江洲良が粘りに粘り8球目をレフト前へと弾き返し1点を返したが、宜野座はその直後に二死から大嶺に三塁打が生まれると、佐久田来樹が逆らわずライト前へ運び小禄を突き放した。

 さらに宜野座は6回、三塁打の岸本を置いて嘉味田がセンターへ犠飛を上げて加点すると、7回にも二塁打を放った大嶺が相手バッテリーのミスを突く好走塁を見せて7点目を奪い快勝。「重いマスコットバットを振ってきた」と、振れるようになってきたナインのパワーアップの秘密を語ってくれた仲間監督も手応えを感じているようだった。

 敗れた小禄だが、初回の4点を除く8イニングでは「ほとんど互角でどちらに転んでも分からない」(仲間監督)展開を見せた。ゲームに対する前準備や入り方など課題が見えたこの試合を糧に、さらなる向上をファンは期待しているし、それが十分可能なチーム力を有していると言えるだろう。

(文=當山 雅通)

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