聖望学園 延長戦を制す

9回に同点の2点適時打を放つ五幣君(蕨)

 聖望学園が5対4で延長戦の末、県大会初戦に辛勝した。蕨打線は10安打4得点と、12安打のBシード聖望学園を追い詰めたが、延長10回サヨナラで涙を飲んだ。

 蕨は1回、先頭の1番馬場君がライト線に二塁打で無死二塁。2番五幣君が送り、いきなり一死三塁と先制のチャンスを迎える。ここは聖望学園先発の西野君が3番大谷君、4番宮野君を連続三振に抑え意地をみせ0点。2回以降も蕨打線は活発で、2回一死から6番八木君が右中間を破る二塁打。三塁盗塁を試みたが聖望学園の固い守りに三塁アウト。あと1本が出ない。

 聖望学園は1回、一死から2番川上君がレフト横に二塁打。3番大野 亮太君が四球で一、二塁とチャンスを掴むが、4番西野君がセンターフライ、5番大野隼君は二塁ライナーとなり0点。3回は打線が繋がり9番根本君がセンター前ヒットで無死一塁。1番丸井君もライトに運び一、三塁。このチャンスに前の打席で二塁打の2番川上君がレフト前に先制のタイムリーで1点を先行する。なおも二死三塁から4番西野君もレフトへタイムリーと続き、この回2点を挙げた。

 蕨も5回、無死から5番米山君がセンター越の三塁打で出塁。ここで聖望学園は先発西野君を諦め早めの投手交代。救援に加藤潤君を送る。一死後7番四球で一、三塁。8番守屋君が投手右に絶妙なプッシュスクイズ。これが二、遊間に転がり三塁走者が還り1点を挙げ1点差に迫る。続く6回、2番の五幣君がライト前ヒット。3番大谷君が送り一死二塁。4番宮野君は死球で一、二塁。二死となり、6番八木君の2球目に意表を突くダブルスチールを敢行。見事に決まり二死二、三塁とチャンスを広げ、八木君が投手強襲ヒットで三塁走者を還し蕨が同点に追いつく。

関連記事・2015年秋季大会特設ページ・あの学校の取り組みは?!埼玉県の野球部訪問を一挙紹介!

10回にサヨナラ打を放つ西野君(聖望学園)

 その裏の聖望学園は、投手からレフトに代わった4番西野君が2本目のヒットをレフトへ。ここで5番救援の加藤潤君に代わり代打水本君を起用。水本君は四球を選び無死一、二塁。6番平柳君のバントを投手小長君が一塁へ悪送球。この間に二塁走者西野君がホームインし、水本君も三塁へ。無死三塁とチャンスは続き、7番渡部君は三塁ゴロで一死後、8番西川君がセンターに大きな当たりを放つ。これが犠牲フライとなり2点目。4対2と再び聖望学園がリードする。

 7回から聖望学園は3人目の西澤君を救援に送る。この回は三者凡退に押さえたが、8回二死から4番宮野君に投手強襲ヒット、5番米山君にもレフト前と連打を浴び二死一、二塁。ここまで2安打の6番八木君を迎え、力のあるストレートで二塁ゴロに押さえ0点で切り抜ける。

 公式戦初登板の1年生西澤君は、自分の投球リズムを守り攻めの投球で乗り切ったが、2点リードの9回。蕨打線も粘り、7番葛葉君の遊撃内野安打で無死一塁から、8番守屋君に痛恨の四球を与え、9番に送られ一死二、三塁と一打同点のチャンスを迎える。1番馬場君に会心の当たりをレフトに打たれたが好捕し二死。2番五幣君を迎えカウント3ボール2ストライクから2球を力で押し込むファールの後の8球目、真ん中に入ったストレートを強振せずミート。打球は右中間を破る2点タイムリーとなり土壇場の9回二死から同点に追いつかれ試合は振り出しに戻った。

 延長に入った10回。蕨打線は4番からの好打順だが、同点で気持ちを切り替えた聖望学園西澤君の好投に4番宮野君は一塁ファールフライ。5番米山君は一塁ゴロ、6番八木君も一塁ゴロと3人で抑えられた。

 10回裏、聖望学園はこれまで3安打と好調の2番1年生の川上君。ベンチの期待に応え4本目のヒットをレフト前に運ぶ。3番大野亮君は1ボール1ストライクからの3球目をヒットエンドランのサインに進塁させる投手ゴロで一死二塁とサヨナラのチャンス。ここで4番西野君。先発で4番とのプレッシャーの中、ここまで2安打を放っている。初球甘いストレートが高めに外れた2球目。鋭く振り抜いた打球はレフト線に飛び二塁から川上君が歓喜のホームイン。鮮やかなサヨナラ勝ちを収めた。

 Bシードの底力を見せた聖望学園だが、毎回のように聖望学園の3投手に襲いかかった蕨打線が光った。同点止まりに押さえられ勝ち越しができなかったのが惜しまれる。

(文=編集部)

関連記事・2015年秋季大会特設ページ・あの学校の取り組みは?!埼玉県の野球部訪問を一挙紹介!