帝京vs城西大城西
城西大城西先発の後藤
城西大城西と言えば、陸上短距離のサニーブラウンが有名だが、野球部も東京が東西2代表になった最初の年の東東京大会で優勝するなど、伝統と実績を誇っている。秋季都大会の出場をかけた最後の関門で対戦するのは、強豪の帝京。それでも出だしはむしろ、城西大城西が押し気味であった。
1回表城西大城西は、相手の失策や四球で一死一、二塁のチャンスを得る。しかしが後続が倒れて、得点に結びつかない。その裏帝京は四球の1番佐藤 陸樹を2番佐々木 俊輔が送り、4番田中 麟太郎の右前安打で還して、1点を先制した。
しかしこの日の帝京は、立ち上がりどうもピリッとしない。2回表城西大城西は、6番横田が中前安打で出塁し、続く高橋のバントは帝京の先発・安村 陸人の失策を誘い、さらに9番城西大城西の先発・後藤 茂基も四球で歩き一死満塁。ところが後続が併殺となり、チャンスを潰した。3回表も先頭の2番笠井 裕介が中前安打で出塁するも、後が続かない。
強豪相手にこれだけチャンスを生かせないと、勝つのは厳しい。3回裏帝京は、一気に勝負を決める。この回一死一、二塁から5番秋葉 夢大の左前安打でまず1点。なおも一死一、二塁のチャンスで打席には夏、1年生ながら4番を任されていた岡�� 心が立つ。岡崎が3球目を叩くと打球はライトフェンスを越える3ラン本塁打。勝負をほぼ決定付けた。試合後岡崎は、「インコースの真っ直ぐ。狙っていました。芯ではなかったのですが、打った瞬間行ったと思いました」と語る。
関連記事・2015年秋季大会特設ページ・あの学校の取り組みは？！東京都の野球部訪問を一挙紹介！
二塁打を放った帝京・郡
一方城西大城西の高野勝監督は、「真っ直ぐ狙いは分かっていました。まともなストライクで勝負せずに、ボール球を振らせろと、指示は出していたのですが」と悔やむ。
帝京は、4回裏は3番郡 拓也の二塁打などで1点、6回裏も2番佐々木の中前適時打などで1点を追加した。投げては先発の安村が走者を出しながらも得点は許さず、最後は佐藤優太郎につなぎ、7対0、7回コールド勝ちした。
試合の流れを決めた岡崎は負傷して、秋季大会はこの日が初スタメン。打撃練習をほとんどできない状態だったそうだが、しっかり結果を出すあたりは、非凡なものがある。
帝京は出だしこそ芳しくなかったが、一人一人のレベルは高い。とはいえ、都大会までは3週間近くある。選手層が厚いだけに、都大会ではまた、この日とはかなり変わっているかもしれない。
城西大城西は、都大会出場は逃したものの、「ピッチャー（後藤）は1年生なので、いい経験をしたと思います。今まで打てないと言われてきましたが、この日も8安打したように、打てるようになってきました。それをどうつないでいくかが課題です」と、高野監督が語るように、手応えと教訓を得て、今後チーム作りをしていくうえで、収穫のあった試合であった。
（文＝大島 裕史）
関連記事・2015年秋季大会特設ページ・あの学校の取り組みは？！東京都の野球部訪問を一挙紹介！
