城西大城西、エース後藤の気迫あふれる力投で雪谷にコールド勝ち!

深瀬(都立雪谷)

 曇り空の中、過去に二度の甲子園出場がある城西大城西、2003年に甲子園出場経験のある都立雪谷との好カードの対決が始まった。

 1回表裏とも三者凡退に終わり、静かな立ち上がり。試合が動いたのは2回裏だった。 城西大城西は二死から敵失で出塁したランナーを一塁に置き、7番坪川のレフト前ヒットでチャンスを広げる。続く、8番濱比嘉のセンター前ヒットで先制点を奪う。さらに、9番後藤もレフト前ヒットを放ち、ランナーが2人が還って、3対0とリードを広げる。

 だが、都立雪谷も反撃開始。3回表、二死一、二塁のチャンスから2番岩崎が綺麗にセンター前に弾き返しチャンスを拡大させる。二死満塁から3番三木がレフト線に走者二人を返すタイムリーツーベースヒットを放ち2点を返す。これで、2対3と1点差に。

 だが、3回裏。城西大城西が再び突き放す。 先頭の4番村木が四球で出塁すると、5番金子裕が送りバントを決め、一死二塁と着実に攻撃を進める。そして6番高橋がセンター前に弾き返し、一死一、三塁と形を作って、7番坪川に繋げた。坪川の打席で一塁ランナー高橋が盗塁を決め、二、三塁とチャンスを広げる。これで併殺はなく、気持ちが楽になったのか、坪川は思いっきりのいいスイングをみせる。しっかりと捉えた打球は右中間を深々と破り、走者二人が生還し、5対2と再び突き放す。

 ここで都立雪谷はピッチャーを交代。背番号11の深瀬がマウンドに登り、後続のバッターを三振とサードゴロで打ち取り追加点は許さなかった。

 4回表、都立雪谷は先頭の5番櫻井がファーボールを選びノーアウトからランナーが出ると、続く6番田中伸がレフト前ヒットでチャンスを広げる。次打者7番石川の放った打球はセカンドのフィルダースチョイスを誘発し、ノーアウト満塁のチャンスを作る。8番深瀬は三振に打ち取られるが、続く9番石井が、2ストライク1ボールと追い込まれながらもしぶとくライト前にヒットを放ち1点を返す。5対3と試合は接戦に。 城西大城西のエース後藤は、ここでエンジンがかかる。 ギアを入れた後藤のボールの質がワンランクレベルアップし、1番樋口は完全に詰まらされ打球は6-4-3のダブルプレーに打ち取られ、都立雪谷は結局1点止まりの攻撃となった。

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エース後藤(城西大城西)

 後藤の投球で勢いがついた城西大城西は、攻撃の手を緩めず5回にエラー絡みで4点を奪い、6回にも1点を追加。これで、10対3となり、コールドで勝利を掴み取った。この試合終わってみればエースの後藤を中心に、チームのまとまりに長けた城西大城西が終止、試合を有利に進めていった。

 後藤は力のある真っ直ぐで、相手に向かっていく投球が光った。そして強みの真っ直ぐはバランスのとれたフォームから繰り出されるため、今後、さらに球速は上がっていくだろう。

 次戦に進む城西大城西はチームワークが高く、2番手以降の投手陣の力量次第では、さらに上位へ勝ち進む実力を持っているだろう。

 一方で敗れた都立雪谷は、多くの好選手が揃い、選手の質は高かった。2番手で登板した深瀬はバネのある身体から繰り出されるボールは力があり、この冬を超えた時が楽しみだ。則本昂大投手(東北楽天イーグルス)のような力強さとしなやかさを潜在的には持っている投手だ。

 打撃陣では、3番の選球眼が良い好打者の三木に、4番神子は荒削りさがあるがパワーがすごい。この試合でも右中間フェンスダイレクトの二塁打を1本放っている。 とくに神子は打席での構え、スイングの軌道は筒香 嘉智選手(横浜DeNAベイスターズ)のようだ。

 敗れたが、次の大会までには十分に時間がある。春の大会で大きく成長した姿を見せてもらいたい。

(文=南乃 啓之介)

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