左から 高校時代の西口 輔選手と、中谷 佳太選手

 夏の甲子園出場27回、選抜甲子園出場23回とまさに全国を代表する名門校・天理。昔から才能の高い選手を輩出してきた天理だが、今になってもその勢いは失われることはない。今年、春夏連続の甲子園出場を果たした天理のつながりを見ていきたい。

強豪として軌道に乗り始めたのは1980年代から

 天理が甲子園に初出場したのは1954年の選抜までさかのぼる。この時は初戦敗退で、初勝利を挙げたのが3度目の出場となった1959年選抜であった。その年の夏も甲子園に出場し、初のベスト8入りを果たすようになると、その後は甲子園常連校へ。1986年には主砲の中村 良二選手(元近鉄バファローズ)の活躍で初の甲子園優勝を果たすと、1990年は南 竜次投手(元日本ハムファイターズ)、2年生投手の谷口 功一投手(元近鉄バファローズ)の2人の速球投手を擁して2度目の甲子園優勝を果たすなど、全国屈指の強豪へ成り上がった。

 天理は甲子園の実績だけではなく日本プロ野球歴代3位の通算567本塁打を放った門田 博光氏や、代打を中心に活躍する関本 賢太郎選手(阪神タイガース)など多くのプロ野球選手を輩出。

 近年では2012年夏にベスト8まで勝ち進み、今年も春夏連続で甲子園出場を果たした天理。今後も全国を代表する名門であり続けるだろう。

 春では1997年以来、夏では1990年以来の優勝を目指し、新チームのスタートを切った天理は、甲子園初優勝時の主砲であった中村 良二氏が監督に就任。中村氏は2008年8月に天理大の監督に就任し、2013年には大学選手権に出場。2014年2月に母校に戻り、コーチとしてチームに携わっていた。

 今年の4番打者だった坂口 漠弥は中村コーチに念入りに打撃指導を教わったようで、長打力を開花できたようだ。全国トップクラスの逸材があつまる天理だが、元プロの中村監督が就任したことで、どんなチームに変わるか楽しみである。

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[page_break:近年の卒業生たち]近年の卒業生たち

 近年の卒業生を見ていくと、やはり強豪大学、社会人で続けている選手が多い。今年は日本生命の原田 拓実選手が都市対抗優勝を経験。またプロでは徐々に出場機会を増やしている西浦 直亨選手(東京ヤクルトスワローズ)や、既に5本塁打を放っている中村 奨吾選手(千葉ロッテマリーンズ)など野手を中心に逸材が多い。 今年は舩曳 海選手が侍ジャパンU-18代表として第27回 WBSC U-18 ワールドカップに出場し、最多得点を記録する活躍を見せており、今年の3年生たちのその後の活躍も楽しみである。

■2009年卒・井口 勇佑(龍谷大−東京ガス)・鈴木 紳吾(龍谷大−新日鐵住金東海REX)

■2010年卒・原田 拓実(立正大−日本生命)・西浦 直亨(法政大−東京ヤクルトスワローズ)・立花 允夫(天理大−ミキハウスREDS)

■2011年卒・沼田 優雅(立正大−NTT東日本)・内野 聡(近畿大−大和高田クラブ)・安田 紘規(青山学院大−JR東日本)・中村 奨吾(早稲田大−千葉ロッテマリーンズ)

■2012年卒・西口 輔(立命館大)・長谷川 頌磨(亜細亜大)・柳本 啓佑(亜細亜大)・伊達 星吾(亜細亜大)

■2013年卒・中谷 佳太(大阪ガス)・山本 竜也(天理大)・舩曳 翔(天理大)・吉村 昂祐(天理大)・綿世 優矢(立命館大)

■2014年卒・安本 龍観(中央大)・古田 塁(東洋大)・早田 宏規(立命館大)

■2015年卒・福永 裕基(専修大)・大橋 将(専修大)

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