シヤチハタ、エドウイン、吉野家…間違って覚えているかもしれない企業名まとめ

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“世の中で認知されている名前”と “本当の名前”が違う会社は結構ある!

みんながよく知るあの会社の名前も、実は、ちょっと思っていたのと違う……というものがあるかもしれません。

Google、Yahoo!、GREE、au…この社名の由来、知ってた? 【IT企業&携帯電話会社編】

一般常識としてはもちろん、就職活動中の学生さん、社会人としてもしっかり覚えておきたい、間違って覚えてしまっている人もいるかもしれない社名をご紹介していきましょう。

シヤチハタ

言わずと知れた印章、スタンプ、文房具などを製造する会社ですが、大正4年に舟橋商会として創業し、昭和16年に「シヤチハタ工業株式会社」を設立。

公式サイトによると、
“シヤチハタは名古屋城の金のシャチホコに由来しています。当初、旗の中央に名古屋のシンボルであるシャチホコを描いたマークを社章にしており、製品に表示していたことから、後に「シャチ」+「旗」で「シヤチハタ」となりました”
とのこと。

大正14年の創業時には、インキが乾かない万年スタンプ台の商標を「日の丸印の万年スタンプ台」として販売していましたが、日本の国旗を商標に使ってはいけないという指摘を受けたことから、他の商標を考えることとなり、現在の社名の「シヤチハタ」が誕生したのだそうです。

キユーピー

マヨネーズなどの調味料でおなじみの「キユーピー」は、「キューピー」ではなく「キユーピー」。読み方は「キューピー」ですが、商標、社名は「キユーピー」なのだそうです。

なぜ「ユ」が大文字かというと、デザイン上の理由とのこと。

社名の由来は公式サイトによると、
“1925年にマヨネーズを発売する際、当社の創始者である中島董一郎さんは、大学の先輩であり、東洋製罐の創業者高碕達之助氏の薦めたキユーピーをブランドに付けました。マヨネーズがキユーピー人形のように、誰からも愛される商品に育ってほしいとの願いを込めて「キユーピーマヨネーズ」と名づけました。
1957年には、社名を「食品工業株式会社」から「キユーピー株式会社」に変更しています”
とのことです。

キヤノン

キヤノンの公式サイトによると、
“「ヤ」の字が大きく表記された「キヤノン」が生まれたのは、1947年に、社名を「精機光学工業株式会社」から「キヤノンカメラ株式会社」と変更したときでした。当時の登記簿や株主総会後に発表される営業報告書、朝日新聞に掲載した広告など、すべて「ヤ」が大きくなっています”

では、なぜ「キャノン」ではなく「キヤノン」にしたかについては、
“全体の見た目の文字のバランスを考え、きれいに見えるようにしたからなのです。「キャノン」では、「ャ」の上に空白が出来てしまい、穴が空いたように感じてしまうので、それを避けたのです”
とのこと。

見た目のバランス、が理由だったのですね。

エドウイン

Made in Japanのジーンズとといえば、「エドウイン」。こちらも「イ」の文字は大きく、「エドウィン」ではなく「エドウイン」が正しい社名です。

お問い合わせをしたところ、詳しくご回答をいただきました。
“1961年にスタートした日本発のジーンズブランド「エドウイン(EDWIN)」。「DENIM」のアルファベットを並べ替え、Mをひっくり返して創られた造語。新しい発想、自由な発想で新しいジーンズを創造していく思いが込められています。
同時に、「エド(江戸)ウイン(勝つ)」という語感もわかりやすく、覚えやすく、日本のジーンズメーカーとしてのこだわりの意味も含まれています。
エドウインのイが大きい「イ」である理由は、上記の「WIN(勝つ)」の読みが「ウイン」のためと考えて下さい”
とのこと。

エドウインの「ウイン」は「勝つ」が由来なんですね!

富士フイルム

カメラやOA機器など精密化学メーカー大手の「富士フイルム」も「イ」の文字は大きく、「富士フィルム」ではなく「富士フイルム」。

例えば、キャノンは声に出して読むときには、「キャノン」と呼びますが、富士フイルムの場合は読み方も「フィルム」ではなく「フイルム」です。

三和シヤッター工業

三和シヤッターの「シヤッター」も「シャッター」ではなく「シヤッター」ということで「ヤ」が大きいです。1956年創業の時からこの社名を使用しています。

お問い合わせをしたところ、
“小さな文字(ャとッ)が並ぶとバランス的によくないという考えから「シャッター」でなはく「シヤッター」としております”
とのことでした。こちらも文字のバランスを重視しているんですね。

味の素ゼネラルフーヅ

コーヒーを中心とした飲料などの製造、販売を手掛けるAGFとしても知られる「味の素ゼネラルフーヅ」ですが、こちらの社名は「フーズ」ではなく、「フーヅ」です。

お問い合わせをしたところ、
“1973年8月1日に味の素株式会社と米国ゼネラルフーヅ社との合弁会社「味の素ゼネラルフーヅ株式会社」として設立されました。アメリカの英語表記の社名で「ヅ」となっており、それで社名として登記しました”
とのことで、「フーヅ」に関しての明確な理由はないとのことでした。

ビックカメラ

家電量販店最大手の1つである「ビックカメラ」。こちらも英語のビッグと間違えがちですが「ビックカメラ」が正しく、ローマ字表記も「BICCAMERA」です。

公式サイトによると、
“「BIC」とは、バリ島のスラングで、「大きい(Big)」の意味を持つ一方、ただ大きいだけでなく中身を伴った大きさ、という意味もあります。「限りなく大きく、限りなく重く、限りなく広く、限りなく純粋に。ただの大きな石ではなく、小さくても光輝くダイヤモンドのような企業になりたい」という希望をこめて、「ビックカメラ」と命名しました”
とのこと。

英語ではなく、バリの言葉のスラングだったのですね。

ブルドックソース

こちらはもビックカメラと同様、「ブルドッグソース」ではなく「ブルドックソース」が正しい社名となっています。

公式サイトによると、社名の由来は
“ソース発祥の地であるイギリスではブルドッグはシンボル犬として愛されていました。また、ソースが日本の家庭に馴染んできた大正末期に、ブルドッグがペットとして人気を集めていました。そこで、ソースのおいしさもこのペット同様に人々に広く愛されるようにと、商品名に「ブルドック」として採用、マークとしました”
とのことでした。

「ブルドック」とした理由は、濁音が続く語感を避けるため、あえて使い分けたものなのだそうです。

吉野家

牛丼チェーン大手の「吉野家」。どこが間違いやすいのかと思いきや、こちらは漢字に注目。

公式サイトによると
“吉の字は、正しくは「土(つち)」に「口(くち)」と書きます”
とのこと。

パソコンなどで「よしのや」と打つと「吉野家」と変換されます。この時の「吉」は「武士の士」の下に「口」と書かれた「吉」なので、本来の社名とは違ってしまいます。

ロゴを見るとしっかり2番目の線の方が長く書かれています。これは間違いやすい!

これは間違いやすい!【番外編】

番外編として、社名ではありませんが、間違いやすい「名前」をご紹介します。

《レツゴー三匹》

1968年から2014年まで、46年にもわたり活躍してきたレツゴー正児さん、レツゴー長作さん、2014年に亡くなったレツゴーじゅんさんの漫才トリオですが、「レッツゴー三匹」ではなく、「レツゴー三匹」が正しいのだそうです。

レツゴー正児さんのブログにはなぜレツゴーであるのかということが説明されています。

“「Let's Go 三匹」は、東京では「レツゴー(↑)さんびき」と‘Let's Go’の部分が尻上がりなるのですが、大阪では「レッツゴー(↓)さんびき」と尻下がりになります。つまり、大阪弁の発音通りに書くと、「レッツゴー」と「ツ」を2つ書かなければいけません。
そこで、東京の人にもわかりやすく、また、字数も少ない方がサインを書く時に手間もかからんという単なるずぼらな思いつきから「レツゴー三匹」にしました”
とのことでした。

《ネーデルラント》

国名からはこちら。オランダの正式名称は、「Nederlanden(ネーデルラント)」。でも、英語では「the Netherlands」、「Holland(俗称)」と表記され、日本語では「ネザーランド」「ホランド」などと読まれます。その読み方と混同して「ネーデルランド」と間違いやすいのですが、正しくは「ネーデルラント」なんですね。

いかがでしたでしょうか。

国語国字改革前の創業の会社には歴史的仮名遣で拗音を小書きにしない会社があったり、見た目のバランスであったり、EDWINやビックカメラのような由来があったりと、理由はそれぞれでした。

今回ご紹介したように、実際の商標や社名と認知されている社名が違ったり、音に出して読むと、その語感や読みやすさから、正しい社名通りではない呼び方をする会社もあるので、少し混乱してしまうかもしれません。

それでも、日本で、そして世界で、それぞれの分野で使命感をもってお仕事をされている、我らが誇る日本の企業のお名前。
ぜひ、間違えないようにしたいものです。