スーダンのミニ写真展が開かれている原宿の「チャオパニック」(撮影:佐谷恭)

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若者の集まる場所で、注目されない“危機”を知らせたい――。カジュアルウエアや雑貨を扱う「チャオパニック」原宿店(東京都渋谷区)で、5月の和平協定調印後も混乱が続くスーダン西部・ダルフールの惨状を、写真とビデオで紹介するミニ写真展が開かれている。30日まで。入場無料。

 同写真展は、「チャオパニック」を展開するパル<2726>が、人権NGOのアムネスティ・インターナショナルと協力して開催している。世界最大の人道的危機と言われながら、日本ではほとんど注目されていないダルフールの人権侵害の惨状を、若い世代を中心に広く伝えるのが目的だ。

 試着室横にある待ち合いスペースに、難民キャンプの写真など15点を展示し、スーダンや隣国チャドの人権状況を伝えるビデオを上映している。また、オーガニックコットン(有機栽培の綿)で作った限定Tシャツやネックレスなどの販売もしている。試着のついでに写真に見入ったり、Tシャツのデザインが気に入って、スーダンの状況やアムネスティの活動を知る人もいるという。

 同社広報担当の井上高志さんは、「来店する人が、少しでも人権擁護に関心を持ってくれれば。初めはファッション性だけを見ていても、展示を見て興味を持つと思う。私がそうでした」と話した。

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 スーダン西部のダルフール地方では、アラブ民族と非アラブ民族の対立に端を発する紛争が始まった2003年から多くの人びとが家を失い、土地を追われている。複数の人道支援団体がダルフールや隣国チャドで活動しているが、同地方の情勢は改善していない。【了】

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