24日、東京都内で合併発表会見に臨む佐藤慶太タカラ会長(左)と富山幹太郎トミー社長(撮影:吉川忠行)

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2006年3月1日に合併を予定している玩具大手のトミー<7867>とタカラ<7969>は24日、東京都千代田区のホテルで、合併新会社「タカラトミー」の基本針説明会を開き、中期計画を発表した。両社はコスト削減や利益増額など組織のスリム化で27億円、在庫評価損や開発費の絞り込みなどで100億円を見込み、2009年3月期までの「合併効果」を190億円と試算した。

 タカラの筆頭株主で合併の仲介役を担ったインデックスの落合正美会長は「玩具・コンテンツ業界の大きな再編に先駆けて、勝ち残るための計画を今回短期間で作れたと確信している」と自信を示した。

 05年3月期の両社合算の実績は、売上高が1804億円、営業損失が71億円だった。09年3月期の連結売上高で2000億円、連結営業利益で160億円を見込み、「ヒット商品の輩出よりも収益を軸」(佐藤慶太タカラ会長)に回復路線を打ち出した。トミーの「トミカ」、「プラレール」、タカラの「リカちゃん」、「トランスフォーマー」など両社合わせて24のロングセラーに、新商品を加えた国内玩具シェア20%の“強み”をいかしつつ、インデックスの持つ国内、欧米のメディアとのネットワークを駆使し、独自に情報発信する。

 両社は、「中国では市場の成長に合わせて、収益を上げたい」(佐藤・タカラ会長)と、中国での専門店展開を積極的に進めるなど海外事業を重視。米玩具大手のマンテル社など欧米各社との戦略的な連携を視野に、3年後の海外売上を05年3月期の約2倍となる500〜600億円と見込み、世界第3位の玩具企業を目指す。

 また、タカラトミーとインデックスは、9月に50%ずつ出資して戦略事業会社「T2iエンターテイメント」を設立。インデックスの子会社とし、会長には落合正美インデックス会長が就任する。初年度の収益は、経常利益10億円を目指す。 タカラとトミー両社が持つキャラクターを活用した携帯サイトや広告事業、タカラ子会社のアニメ製作会社「竜の子プロダクション」の作品をリメイクし、コンテンツを積極的に企画・制作して、グローバルに配信。インデックスが展開するフリーペーパーにもコンテンツ提供など連携して、20代の若者にもアプローチし、現在160万人の会員数を3年で400万人に増やすねらい。トミーの富山社長は「タカラとトミーができない分野で、暴れまわってほしい」と合弁会社への期待を示した。

 新会社「タカラトミー」(英語名「TOMY COMPANY」)の合併比率は、トミー1に対してタカラ0.356となる。社長には富山幹太郎・現トミー社長、副社長には佐藤慶太・タカラ会長が就任する。トミーが存続会社としてタカラを解散することになり、事実上の「タカラ救済」となる。【了】

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