新ステップワゴンに乗るホンダの福井威夫社長(資料写真:吉川忠行)

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本田技研工業<7267>は7日、自動車用樹脂部品専業大手の日本プラスト<7291>が行う第3者割り当て増資を引き受け、取引関係の強化を図ると発表した。ホンダは今月下旬に、日本プラストが発行する新株400万株を24億円で取得し、議決権ベースで20.6%保有する筆頭株主となる。

 ホンダと日本プラストは、1968年に自動車用ハンドルの取引を開始、最近では自動車用エアバックモジュールや内装用樹脂部品を取引している。ホンダは「長期的な技術戦略に基づく効率良い開発体制を整備し、開発力や品質・コスト・物流領域で体質強化を一層進める」と説明している。

 かつて日本プラストの筆頭株主だった日産自動車<7201>はカルロス・ゴーン社長就任による部品会社との「ケイレツ(系列)」関係の見直しの一環で、ルノーと関係の深い欧州の自動車部品メーカー2社に保有する株式をすべて譲渡した。同時に日本プラストと同2社は同割合の株式を持ち合い、欧州地域では、同2社を通じた形での日産系企業との取引がある。今回のホンダとの関係強化で、同2社は主要株主の地位を譲るが、「今後も欧州2社を通じた、日産との取引関係は継続する」(日本プラスト広報)としている。

 ホンダは5月下旬にも、約40年間の取引関係がある自動車用部品メーカーの菊池プレス工業<5970>株を20.7%(議決権ベース)まで買い増し、子会社化した。今年に入り自動車業界では、「ケイレツ(系列)」回帰を思わせる業界再編の動きが活発化している。【了】

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