ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は19日、米国の「ロサンゼルス モーターショーで、燃料電池を搭載した先進的な研究車両、「ゴルフ ハイモーション」を公開した。

 燃料電池は、水素と酸素を化学反応させることで発電し、最終的には水を排出する。このプロセスにより、電気モーターを駆動するエネルギーが生成され、ゼロエミッションによる走行が可能となる。前輪駆動方式の「ゴルフ ハイモーション」は、0〜100km/hを10秒で加速する。燃料となる水素は、カーボンファイバー製のタンクに貯蔵される。4つに分けられたタンクは、スペース効率を考慮して、ボディ下部に配置している。そして、3分で完了する水素充填による走行可能距離は、約500kmに達するという。

 「ゴルフ ハイモーション」の主な駆動コンポーネントは、ドイツ本社のグループ研究部門で開発された。出力100kWの燃料電池システムのコンセプトは、フォルクスワーゲン電気駆動テクノロジーセンターで構築されたもの。また、このコンセプトカーには、大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載している。このバッテリーは、回生ブレーキから得られた運動エネルギーを蓄えることで、燃料電池の始動を補助し、フル加速時のブースティング用に用いられる。

 基本設計は、フォルクスワーゲンが開発し、グループ全体で共有しているモジュラー トランスバース マトリックス(MQB)をベースにしている。MQBを使用することで「ゴルフ」ハッチバックと「ゴルフ ヴァリアント」は、現在利用できるすべての駆動方式を採用可能となる。