J1第10節、アウェイでのセレッソ大阪戦です。

冷静に考えれば、引き分けという結果は妥当なのかもしれません。得点シーン以外にもセレッソの決定機はあったし。
ただ、終盤に一度は勝ち越したのに、という思いは残ります。

浦和のスタメンは、前日練習ではスタメン組でプレーしていた原口元気と梅崎がベンチスタート、代わりに最近調子を上げて信頼を得つつある矢島がシャドウ、右WBは平川、出場停止の阿部勇樹の代わりとしてボランチには柏木が入りました。また、左膝に負傷を抱えている槙野は強行出場となりました。

セレッソは、今シーズンの対戦相手としては珍しく、全く浦和対策をやってきませんでした。おかげで、浦和のやりたい事が全て出来るという感じで縦パスは入るは、サイドを使えるは、足りないのはゴールだけという前半でした。

特に効いていたのは矢島で、最前線からちょっと引いてきてボールを受け方も素晴らしいし、その後の展開も素晴らしかったですね。
先制された後に追いつくために原口元気と交代しましたが、個人的には矢島を残してマルシオと元気を交代させても良かったんじゃないかとさえ思いました。

後半に入っても同じような展開。ちょっとセレッソが前から取りにきたかもしれませんが、浦和がパス回しに困るほどではなし。

ただ、後半18分に一瞬の隙を突かれて痛恨の失点。
ペナルティエリア左まで攻め込まれたところをボール奪取したのは良かったのだけれど、槙野の宇賀神へのバックパスがシンプリオにカットされて、最後は杉本のミドルシュート。あの位置での中へのバックパスは危険過ぎました。

1点を追いかける展開となってしまった浦和は、直後に原口元気と梅崎の二人のドリブラーを投入。この交代がポゼッションを握りつつも得点を取れなかった浦和に変化をもたらしました。

後半26分にボールを押さえたGK加藤順大からボールを受けた原口元気がドリブルを開始、梅崎や鈴木啓太も並走するなか遂にはエリア内まで持ち込み対応した茂庭を翻弄してゴール!!!浦和は同点に追いつきました。
さらに、後半37分にはCKから、この日新チャントを披露された那須が頭で決めて逆転!!!これで浦和は勝利を物にしたかに思えました。

しかし、過去の対戦で点の取り合いになることが多かった対セレッソ戦、ただでは終わらず、後半42分、クロスをクリアしきれずに山口に蹴り込まれて同点を許して2ー2の引き分けで試合終了となりました。

この試合の評価は難しいですが、やはり前半にも何回かあった決定機を決められなかったのは最も大きな課題でしょう。今シーズンはJリーグでもACLでも決定機を沢山作ることが出来ていますが、それを物にすることが出来ずに苦しんでいます。
この試合も、沢山あった流れの中からの決定機を1回も生かせずに、2得点はドリブルでの個人技とセットプレーからでした。去年よりは決定機を作ることが上手くなっているのでチームの進歩は感じるのですが、更なるレベルアップが必要ということでしょう。サポーターの間からは、強力な外国人FW待望論が出て来てもおかしくないですね。
それと、もうちょっと強引にシュートを打つシーンを増やしてもいいと思います。

あと気になるのは、2失点のいずれもがバイタルエリアが空いた結果の失点であること。失点シーン以外にも何回かゴール正面からフリーで打たれたことがあったので、ここは守備の反省点でしょう。もしかすると阿部勇樹の不在が響いたのかもしれませんが。

それと、逆転した後の試合運びもちょっと気になりました。リードしてからも速い攻めを敢行していましたが、終盤でもあったし、もっと時間をかけても良かったかと思います。同点を急ぐセレッソに付き合っちゃったみたいでした。このあたりも、もうちょっと賢くなって欲しいと思います。

さて、最後に引き分けに持ち込まれたのは悔しい限りですが、連敗を止めたのは評価しておきましょう。首位大宮が連勝しているので勝ち点差で離されてしまったのは痛いですが、浦和の良いところを出せている試合が続いているので、今後に期待しましょう。