10日のリーグ・アン第32節で、松井大輔が所属するグルノーブルはトゥールーズに0−4と惨敗、今季23敗目を記録した。降格圏外の17位は松井が昨季プレーしたサンテティエンヌ。その差は20ポイントに開き、グルノーブルは残り6試合に全勝しても届かず、来シーズンの2部降格が正式に決まった。

 ちなみにグルノーブルのひとつ上は、松井がフランスでデビューした古巣のル・マンで、こちらも残留はかなり厳しい状況になっている。

 グルノーブルは45年ぶりに1部に復帰した昨シーズン、リーグ最少得点(24得点)ながら堅い守りを武器に13位と健闘した。しかしオフに十分な補強ができなかった今季はその守備が崩壊。これまでリーグ最多の54失点(昨季は38試合で37失点)を喫し、弱点の攻撃力(リーグ最少の21得点)をカバーできずに、第4節以降最下位が定位置となった。

 松井はこの試合、トゥールーズに3点目を与えるきっかけとなった不用意なバックパスを出すなど集中力を欠き、「フットボール365」の試合評で両チーム最低の2点(10点満点)と採点される最悪の内容。「ル・マンにいた松井の“亡霊”でしかない」との酷評を受けた。

 今季は27試合(うち先発23試合)に出場して、少なくとも出場機会だけは昨季(サンテティエンヌ、22試合出場、先発11試合)を大幅に上回ったが、内容的には乏しいと言わざるを得ない。チームが2部に降格するとなっては移籍も検討せざるを得ない状況だが、ここ2年の成績を見るかぎり、国外も含めて1部のクラブが食指を動かされるか定かではない。W杯では「ル・マンの松井」のイメージを取り戻す活躍が求められる。