ベンチと控え室への立ち入りに加え、電話での指示も禁じられたユーロ予選イタリア戦(8日)を0―0と引き分け、最大の難関を乗り越えたフランス代表のドメネク監督。試合後はコメントを避けたが、翌朝のサッカー番組「テレフット」(民放TF1局)に出演し、引き分けという結果に「満足している」と語った。

 ドメネク監督は、ベンチへの指示を禁止されたことについて「動けないのはつらかった。しかし試合を上から客観的に観られたのはプラス」と話した。TF1のカメラが、前半終了間際、観客席のドメネク監督からスタッフがメモを手渡されていた(ように見える)場面をとらえていたが、「そんなことはしていない。ピエール・マンコウスキー(監督補佐)にはテレパシーで思いを伝えただけ」ととぼけてみせた。

 イタリアの審判買収に言及した自身の発言がもとで、試合前のフランス国歌が流れるときに激しいブーイングがサン・シーロ・スタジアムを包んだことについては、「どこにでも問題はある。(ジダン頭突き事件の2ヶ月後に対イタリア戦が行なわれた)スタッド・ド・フランスでは、イタリア国歌に対する敬意が払われた。これは私の監督のキャリアの中でも特筆すべき素晴らしい時間だった」と語るにとどめ、あえて不快感を表すことはしなかった。