多くのバルサファンにとっての“夢”だったティエリ・アンリのバルセロナ入団が実現した。25日、メディカルチェック、正式サイン、そして入団会見とハードスケジュールをこなしたアンリは同日午後7時、バルセロナのユニフォームを着て初めてカンプ・ノウのピッチに降り立った。07-08シーズン用の新ユニフォームに初めて袖を通すバルサの選手という名誉を得たアンリの背中には、“14番“、“アンリ”がしっかりプリントされていた。

 アンリを一目見ようとファンがカンプ・ノウに駆けつけ、夏休みということもありその数は3万人以上にも上った。ラテラル席(サイド)だけでは間に合わず、ゴール裏の一部にまで及ぶことに。バルサのイムノに合わせアンリがピッチに現れると、カンプ・ノウは「アンリ・コール」の渦に巻き込まれた。ファンの熱烈歓迎を受けたアンリは、リフティングなどを披露し、その声援に応えた。そして、「バルサの選手となることができてとても満足している」とカタラン語で挨拶。これはアーセナルの元チームメイト、セスク・ファブレガスに教えてもらったそうで、バルサファンのハートもしっかり掴んだ。

 ここ数シーズン、メガクラック級の選手の加入がなかったバルサにとって、アンリの移籍は久々のニュー・ヒーロー誕生となった瞬間でもある。世界が注目するプレゼンテーションとなったのは4年前のロナウジーニョ以来。この時はこの日よりも5万人少ない2万5000人のファンがカンプ・ノウに駆けつけている。アンリはロナウジーニョをも上回るフィーバーぶりを見せてい。

 “失望”の06-07シーズンを吹き飛ばすかのようなアンリの加入は、バルサファンに再び夢を見させ、来シーズンへの期待も高めることに。バルセロナはしばらくアンリ・フィーバーが続きそうだ。

(スペイン通信)