いまや経済にも影響するほど人々のライフスタイルに根付いた「SNS」。ユーザーは日常のさまざまな出来事を投稿していますが、中でも投稿に力が入るのは「旅行」ではないでしょうか?そこで今回ご紹介するのは、「ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社」が9か国の2万1,500名の旅行者を対象に実施した、「旅のスタイルを左右するSNSの影響力」についての調査結果。日本はもとより世界の旅行は、どんなふうにSNSと関わっているのでしょうか?

日本以上に世界では旅人インフルエンサーの影響力が絶大!

旅先の観光情報や地図などを知りたい時、長らく重宝したのは紙のガイドブックでした。しかし今ではガイドブックはネットやスマホのアプリに収まり、スマホだけをチェックするという人も増えているのではないでしょうか?そして近年はそこからさらに発展し、ガイドブックよりもSNSの有名人やインフルエンサーの意見を参考にしたり、情報収集に使う人も少なくありません。実際、同調査によると「有名人が宿泊したところと似た宿泊施設を探そうとする」と回答した人は世界で17%。一方日本でも11%が該当しています。

日本以上に海外では旅人インフルエンサーの影響力が強いようです。

さらに「好きな有名人やインスタグラマーが投稿した写真の再現にこだわっている」と回答した人は世界で9%、一方日本は4%だそう。世界では、旅人インフルエンサーの影響力が強いことが分かります。

日本人は写真好きと言われますが、外国人もSNSに旅行アップすることにこだわりがあるようです。

実際に同調査によると、世界で28%の人が「通常のフルタイムの仕事を持たなくても、旅行を通じて、インフルエンサーまたはトラベルブロガーとして生計を立てられると思う」と回答しているといいます。一方同じ質問を日本人にしたところ、同様に解答した人は15%。世界では、日本以上に職業としてのインフルエンサーが身近であるといえそうです。

SNSで「帰宅した後もまだ旅行中であるようなフリをしたことがある」人も!

しかしあまりSNSの影響が強くなりすぎると、周囲の期待に応えるプレッシャーを感じるケースも。その結果いわゆる“盛った投稿”をしてしまうことは、誰でも1度くらいは経験があるのではないでしょうか?

そこで同調査では旅における盛った投稿の一例として「過去の旅行の見栄えのいい写真を今回の旅行の写真として使用したことがある」「実際はその宿泊施設に滞在していないのに、宿泊したかのような写真を撮ったことがある」「帰宅した後もまだ旅行中であるようなフリをしたことがある」「宿泊施設を選ぶときはSNS映えの場所に滞在したい」の4項目について、日本と世界で当てはまる割合を調査しています。

「実際はその宿泊施設に滞在していないのに、宿泊したかのような写真を撮ったことがある」「帰宅した後もまだ旅行中であるようなフリをしたことがある」人が少なからずいることにびっくり!インフルエンサーも大変?

「過去の旅行の見栄えのいい写真を今回の旅行の写真として使用したことがある」は世界も日本でも割合はほぼ変わらず1割ほど。しかしそのほかの3項目は、すべて日本よりも世界のほうが多くなっていることが分かります。外国人、日本以上にけっこう盛っているようです。

SNSでつい見栄を張りたくなるのは世界共通の願望。とはいえ、盛りもほどほどに……。

【調査概要】

調査対象……過去12か月の間に旅行に出かけた、または出かける予定のある成人21,500名(内訳:オーストラリア、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、中国、ブラジル、インド、アメリカ、イギリス、ロシア、インドネシア、コロンビア、韓国から1,000名、日本、ニュージーランド、タイ、アルゼンチン、ベルギー、カナダ、デンマーク、香港、クロアチア、台湾、オランダ、スウェーデン、シンガポール、イスラエルから500名)

調査期間……2018年8月10日〜30日