25日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦、浦和は素晴らしい戦いをしてサウジアラビアのアル・ヒラルを下し、チャンピオンに輝きました。選手、ファンのみなさん、関係者のみなさん、本当におめでとうございます。

2008年にG大阪が優勝して以来、日本勢はずっとこの大会で勝てませんでした。そんな厳しい大会で優勝できたのは本当に大変だったでしょう。タフなアウェイ戦で引き分け、ホームでも落ち着いて試合を進めて、最後に1点を取って勝ったことにチームの成熟を感じます。

これまでの浦和は攻撃で強さを発揮するものの、守備では脆さを露呈することがありました。ところが今回はゴールを取るまで冷静に守り、引き分けや1-0という最少得点で勝負をものにしています。堀孝史監督はしっかりチームを成長させたと言えるでしょう。

これで浦和はUAEで12月6日に開幕するクラブワールドカップ(CWC)に出場しますが、僕はCWCのほうが浦和らしい攻撃力が見せられるのではないかと思っています。アジアでの戦いは「負けない」ことが主眼となった戦術でしたが、本大会では相手の胸を借りる戦いばかりになるでしょう。それなら自分たちがどこまでやれるか、きっと選手たちは試したいはずです。去年は鹿島がレアル・マドリーを相手に堂々と渡り合ったのと同じように、浦和も自分たちの力を存分に発揮してくれることを願います。

そしてもう1つ、ACLが終わった今書き留めておかなければいけないことがあります。それは、アル・ヒラルに浦和が押されていたということです。近年、アジアのチームはすごい勢いで成長しています。中東だけではなく、東アジアのレベルの伸びも目を見張るものがあります。浦和がチャンピオンになりましたが、次は自分たちが最後まで相手を圧倒して勝つという戦いを目指さないと、日本の伸びはありません。勝った今だからこそ、このことは肝に銘じたいと思っています。