禁断の恋の仕方はファンタジーに学べ!『フランケンシュタインの恋』『美女と野獣』

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禁断の恋と言えば。教師と生徒とか、不倫とか、まあいろいろありますが、どれも身を切られるような痛みがつきもの。

その分、格別に甘く深い味わいがあるんでしょうけど、リアルにそういう恋をしたら、どう考えたってありふれた幸せとはかけ離れてしまうものです。そういうのはファンタジーの世界で楽しまなきゃ!

◆綾野剛がフランケンシュタインに!


てなわけで、4月から始まるドラマ『フランケンシュタインの恋』に注目ですよ!
二階堂ふみさん演じるリケジョと、綾野剛さん演じる人造人間が恋に落ちていくストーリーとのことですが、こうした人外と人間の恋物語って昔からよくあるものですよね。

古くはギリシャ神話の『プシュケとクピド』、おとぎ話では実写映画化も話題の『美女と野獣』。
他には映画だと『ジョー・ブラックをよろしく』や『シティ・オブ・エンジェル』あたりが有名でしょうか。アラフォーの筆者としては『ゴースト』や『シザーハンズ』なんかが真っ先に頭に浮かびます。

こうした「人間以外の存在」との恋愛は、昔から愛されているモチーフのひとつですが、なぜここまで愛されているのでしょう。

◆実らぬとわかっている恋ほど美しい


物語の中とはいえ本物の人間同士が「禁断の恋」をやらかすと、ドロドロで重たいもの。仮にうまくハッピーエンドに持ち込んだとしても、登場人物が背負う罪と罰、未来に続くいばらの道は想像に難くありません、しかも相当リアルに。
『高校教師』然り、『昼顔』然り、最終回のあのモヤモヤ感!まあ、そこが狙いなんでしょうけど……。

それが、片方をオバケだの人造人間だの死神だの、ありえない設定にしてみると、あら不思議!泣けるほどの切なさを純粋に満喫し、カタルシスさえ得られます。
何と言ってもファンタジーですからね。叶わぬ恋とわかっていても、人外となら諦めがつくってもんです。

もしかすると、人は昔から、こうした想像上の物語を楽しむことによって現実で道を踏み外すことを防いでいたのかもしれません。叶わぬ恋なんてするもんじゃないね、物語の中だけで十分と。

◆男と女は別の生き物、という暗喩


世の中は広いので一概には言い切れませんが、一般的に人は人以外の種とは恋に落ちません。しかし「男と女は別の生き物」なんてこともよく言われるわけで。

ならば、少々乱暴だけど「異性=違う種、もともと生きる世界が異なる存在」とでも考えてみたらどうでしょうか。それなら「うまくいかなくて当然」と思えそうじゃないですか?手がハサミだったり、死神だったりしないだけマシだと捉えればいいのです。

そして、同じ人間でありながら理解しあえず傷つけ合う現実と、どんなに深く愛し合っても別の種(想像上の、ですけど)ゆえに絶対に結ばれない切なさ。

どっちがいいの?と問われたなら、多くの人が前者を選ぶのではないでしょうか。だって、目の前にいるのが自分と同じ生身の人間で、その気になればずっと一緒にいられるんだから。
『ゴースト』なんか、いくら好きでも触れることさえできないじゃないですか、召されてるし。

本来あってはならぬ恋ほど燃え上がるものですが、その代償はあまりにも大きい。だからこそ、ファンタジーの世界で疑似体験することが必要なのかもしれませんね。

そんなことを考えながら、『フランケンシュタインの恋』の放映を楽しみに待ちたいと思います。
とりあえず綾野剛さんのあのヴィジュアル、かわいすぎ!あんな怪物と恋に落ちるなんて、二階堂ふみさん、うらやましいですね!

ライタープロフィール


石村佐和子
エディター・Webディレクターを経て、結婚、出産後、フリーライターに。微妙に偏った恋愛経験を持つ、アラフォー二児の母。好きなことはモノ作り、工場見学、カフェ巡り。将来は陶芸などしながら優雅に暮らしたいと目論んでいます。