郵政記念日中央式典であいさつする生田日本郵政公社総裁(左)と来賓の麻生総務相(撮影:常井健一)

写真拡大

麻生太郎総務相は20日、郵政事業の発展に貢献した個人や団体を表彰する「第72回郵政記念日中央式典」に出席し、「郵便局の方が銀行よりよっぽど便利だとみんなが思っている」と郵政関係者の功績を称えた。また、郵政民営化について「あくまでも手段であって、目的ではない。昨今手段が目的化するような話がよくあるが、郵政公社が民営化された後、良い結果が出ないような枠組みを作れば、政治の責任」と混迷を極める議論に釘を刺した。

 式典を主催した日本郵政公社の生田正治総裁はあいさつで、「総理も郵政事業の今後のあり方について、言うべきところは発言していただいており、感謝を申し上げたい」と話し、「この先の2年間でやることに差はない。よく考えて、法的枠組みと社会規範の許される範囲内で、最善の経営資源の使い方をしていく」と郵政関係者に訴えた。

 来賓として出席した日本経済団体連合会の奥田碩会長は「郵政民営化の動向については、ハラハラというか、心から関心を持っている。お客様からの信頼なくしては、継続、発展することはない」とあいさつ、経済同友会の北城恪太郎代表幹事は「どのような事業形態であっても、お客様から満足、評価されるような事業をするのが経営の原点」と話した。

 同式典は、明治政府により近代的な郵便業務が開始された日を記念して、昭和9年から郵政事業に貢献した関係者を表彰している。今年は、1万6105人と2434団体が功績を称えられ表彰を受けた。【了】