前回W杯の主役をひとり選ぶとしたら、MVPを獲得したジネディーヌ・ジダンだろう。獅子奮迅の活躍でフランスを決勝に導き、その決勝の舞台ではあっと驚くペナルティキックで先制ゴールを決めながら、試合終了まで10分を残して相手選手に頭突きを見舞う“狂態”を演じて自ら幕を引いてしまった。今回の大会で、フランスには主役を演じきれる選手がいなかった。フランス歴代最多の得点を誇るティエリ・アンリは、予選プレーオフで