半導体業界というと、最先端チップを生み出す前工程にばかり注目が集まりがちだが、実業家のマイキー佐野氏は今回、その先に続く後工程の重要性に焦点を当てた動画を公開した。前工程を担う受託製造の絶対王者が生産能力を拡大すればするほど、その恩恵は後工程を専門に担う企業にも波及していくという構造があるという。

佐野氏はこの連鎖を、巨大な蛇口から溢れ出す水を受け止める大きな桶のような関係だと例え、視聴者にも分かりやすい言葉で業界全体を貫く力学を印象づけている。前工程だけでは製品を市場に出すことができず、後工程の存在があってはじめて完成品になるという基本構造も丁寧に語られていく。
 
続く場面では、後工程を専門に担う台湾拠点の企業と、アメリカを拠点とする企業の2社を軸に、それぞれの強みと立ち位置が語られていく。前工程が非常に高い利益率を誇る一方、後工程は労働集約型の作業が多く、両者の収益構造には大きな差が存在するという。利益の出にくい工程を外部へ委ねることで投資効率を最大化するという受託製造大手の戦略を、佐野氏は率直な言葉で解説する。台湾拠点の企業は圧倒的な生産規模と最先端のパッケージング技術を武器とし、アメリカ拠点の企業は自国内で完結できる体制と手厚い政策支援を強みとしている点も紹介されていた。それぞれが異なる方法で存在感を築いてきた経緯にも触れられ、業界内での役割の違いが浮かび上がっていく。
 
さらに動画では、後工程を担う企業それぞれが抱えるリスクにも触れられていく。生産拠点が特定の地域に集中していることや、少数の大口顧客への依存度が高いことなど、成長の裏に潜む懸念点が具体的に取り上げられていく。設備投資が先行する時期には利益率が一時的に落ち込む可能性があることも指摘され、成長企業ならではの難しさが浮かび上がる。佐野氏はこうした光と影の両面を丁寧に比較しながら、今後どちらの企業がより有望な立ち位置を築いていくのか、その判断を左右する分かれ目がどこにあるのかを見つめていく。
 
半導体という巨大産業のサプライチェーンにおいて、前工程の背後でどのような力学が働いているのかを知りたい人にとって、佐野氏の語りは業界構造を捉え直す新たな視点を得るきっかけとなるはずだ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営