もっとも好きなシーラッハかもしれない。フェルディナント・フォン・シーラッハの新作『午後』(酒寄進一訳。東京創元社)が刊行された。シーラッハは1964年にドイツのミュンヘンに生まれ、刑事弁護士として活動する傍ら、2009年に第一短篇集『犯罪』(創元推理文庫)で作家デビューを果たした。人が犯すさまざまな罪、心の中に潜む悪意が顔を出す瞬間を描いた連作で、その中には自身が弁護士として担当した事件に着想を得た