出撃前の艦上で世界各地で戦争が起きているいま、かつて実際に起きた戦争の内実、戦争体験者の言葉をさまざまな方法で知っておくことは、いっそう重要度を増しています。そのときに役に立つ一冊が、吉田満『戦艦大和ノ最期』です。本作は、戦艦「大和」に乗り込んでいた著者の吉田が、1945年春先の大和の出撃から、同艦が沈没するまでの様子をつぶさにつづったものです。吉田とはどんな人物なのか。1943年、東京帝国大学の法科在学