かつて全国に500ヵ所以上も存在したという「花街」。各地の遊興空間創出の経緯を辿り、「紅灯の巷」に渦巻く人間たちの欲望の正体、そして近代都市形成の秘密を明かすのは、『花街』を著した加藤政洋氏。ここでは、明治維新によりその運命を大きく変えた「殿様御殿」の数奇な運命を辿る。「殿様御殿」の明治維新明治4(1871)年7月の廃藩置県によって誕生した富山県は、同年11月の新川県の設置にともないわずか4ヵ月あまりで消滅、