幅広い作風で男女問わず支持を受ける小説家、村山由佳さん。その最新作『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』(集英社刊)は、自身の新境地を拓くサスペンス小説であり、女性の静かな情念をまざまざと描いた意欲作。夫・道彦の抑圧的な態度に従うばかりの咲季子。そんな彼女にとっての唯一自由にできる場所が趣味のガーデニングが高じて作った薔薇が咲き誇る庭だった。自宅でフラワーアレンジメント教室を開く傍ら、日々の庭の様子